渋谷ヒカリエ9階 ヒカリエホールで開催中、『WHO AM I -SHINGO KATORI ART JAPAN TOUR-』に行ってきました。

 

初個展は3年前、IHIステージアラウンド東京での『BOUM!BOUM!BOUM!』。回転する客席のホールで映像体験をした後、大小バラエティに富んだ作品が展示されたエリアを自由に鑑賞&撮影できるスタイルで、参加型のアートもあり、アトラクション的な展覧会という印象でした。

 

今回は、前回の作品と新作を「光」と「闇」のエリアに分けて展示。入口で赤ルートか青ルートのステッカーが配られて場内を進みます。わたしは闇エリアから入る青のステッカーでした。足元には鑑賞順の(?)番号のシールが貼られていて、闇エリアを抜けると明るい照明の光エリアにたどり着きます。写真撮影可能なエリアに入る手前には、展覧会と同じ『WHO AM I』というタイトルの大きな作品が待ち構えています。モノクロの慎吾の顔写真にカラフルなペイントが施され、光エリアを見つめています。

 

展覧会タイトル『WHO AM I』の意図を記者会見でコメントしているのですが。とても慎吾っぽい思考というか、うんうんそうだと思ったよ、という感じで。

 

「自分は誰なんだろうと思うことが、ずっとあって。それが香取慎吾をやっていて楽しいところなんですが。(俳優、バラエティ、アーティスト、歌手など)いっぱいの自分がいることが誇らしく、嬉しく、楽しさであったり。ふと自分が何者か分からなくなることもあったり。それが、僕の絵の中には詰まっているので、みなさんが知っている慎吾ちゃんが見られる絵もありますし、この絵を香取慎吾が描いたの? という、みなさんの知らない香取慎吾も見られると思います。より深い部分を見てもらえる個展になると思います。これから10回、20回、30回と個展をやれる訳ではなく、出し惜しみなく自分をさらけ出していこうと思いました

引用元記事:

https://artexhibition.jp/topics/news/20221102-AEJ1072959/

 

前回の個展が作品そのもののパワーやオーラを味わうものだったとするなら、今回は慎吾本人とより向き合えるものになっています。タイトルと展示構成はメッセージ(問いかけ)とストーリーになっていて、本当の慎吾を探す宝探しのようなときめきもありました。

有名な、段ボールに描いた絵やチューブから直接絵の具を塗った力みなぎる作品は“慎吾ちゃん”らしく、一方で2016年の「Naketekurukara waraketekuru」や「Scapegoat」には苦しみが滲み出ていて思うところがあったり…。

 

以前見た絵との再会も楽しくて。「火のトリ」は確か退所直後に表参道のイベントに出展された作品で、見に行ったよなぁとか。カルティエタンクは六本木だったなぁとか。すっかり忘れていた記憶が戻ってくる。前回の展覧会で目玉だった(と勝手に思ってる)東京タワーとエッフェル塔のペア作品も、今回はまったく違う印象に見えました。

あと、昔から慎吾が「家にいる」と話していて「なにそれ(笑)」みたいな扱いだった謎のくろうさちゃんが、ぬいぐるみになる日が来るとは。立派にキャラクター化している。わたしが行った日には売り切れという人気ぶりでした。

 

Tokyo Art Beatの記事を読んでいたら、展示の構成はライブのセットリストのような感覚で考えたと話していました。そして忙しかった20代、30代も、今も、とにかく描きたい気持ちがあると。ポジティブもネガティブも創作意欲に反映される、そのエネルギーが枯渇することがないって、ほんとすごい人だ。と改めて思うのでした。

 

人が多くて正面から撮れなかったくろうさぎ。

 

ライブペインティング。

ちょうどわたしが行った日のお昼に慎吾が来ていたらしく、右上の2023あたり?を書いていったっぽい。