『年下の男』
2003年、TBS系で放送された連ドラ。
脚本は内館牧子

【出演】
山口千華子(30)稲森いずみ
伊崎駿(43)高橋克典
北村亜沙美(19)星野真里
辻謙吾(22)賀集利樹
山口卓(22)山崎裕太
玉井梓(35)麻生祐未
岡崎次郎(76)高橋昌也
山口勇一郎(51)平田満
山口花枝(51)風吹ジュン

【あらすじ】
OLの千華子(30)はジムで見かける伊崎(43)に惹かれ告白するも玉砕。
そんな娘の事情を知らぬ千華子の母・花枝(51)は突発的に伊崎と一線を超え不倫関係に。
母の秘密を知る由もない千華子は、大学生の弟・卓の友人の謙吾(22)から好意を受け入るも、伊崎への思いを引きずっていた…。

年齢的に最後の勝負を賭けて、
女の自分から伊崎にプロポーズするも、
全く相手にされずにフラレる千華子

そして!!何の運命のイタズラか?!
よりによって!
伊崎が運命のごとく恋に落ちた相手は花枝
つまり!!
片思いの相手の男が愛したのは自分の母親
娘の千華子は、
その母親の分身である筈なのに、この差は…ガーン

千華子の知らぬ間に、
二人は深く深く愛しあってゆく滝汗=不倫メラメラ爆弾キスマーク目おーっ!ゲラゲラ

千華子は本当に悲しすぎる主人公なのですガーン

そんな千華子
母親伊崎の仲を知った時は
「もう母親とは思っていない」と本人の前で、冷たく言い放ちます!!叫び

しかし、最後は…
ジム(伊崎に片思いしていた時、彼が来るのを今か今かと待っていた想い出の場所)で、

「母を宜しくお願いします。
私の大事な大事な人ですから」
と高らかに宣言!!!!
大事な大事な人……( ;∀;)

その時の千華子は、
媚も全くなく本当に清々しい顔だったお願い
憑き物が落ちたような…。

伊崎を待ち伏せする為に会社を休んだり、とにかく誰かに必要とされたくて年下の謙吾に甘えていた時の顔とは全く違っていた!!

そして、千華子の言葉に頷く伊崎も、
今までで彼女には向けられたことのない、
一番優しい微笑みであったぐすん

何度も利用して孤独を埋めようとした謙吾とも「年下と付き合うほど大人じゃなかった」と、最後は千華子から、大人としてサヨナラを…ハートブレイク

花枝も千華子にバレるまでは伊崎の前でデレデレした笑顔を見せていたが、
娘が伊崎を思っていたと知ると、
伊崎が隣にいるのも忘れるほど泣き狼狽え、
誰よりも家族の修復を図ろうとした。
夫、家族を裏切る女でありながら、娘の幸せを祈る普通の母親でもあり、
同じ女性の先輩として見守ってもいた…
多面的であるからこそ人間らしく魅力的。
そこが、伊崎を惹きつけた所でもあると思う。
どの顔も本当なのだ。  
演じた風吹ジュンは、喜怒哀楽たっぷりにれぞれの場面を演じていた。
女として伊崎に愛され美しくなり、誇りまでも取り戻した最終回は、初回とはまるで別人!ラブ
風吹ジュン稲森いずみだったからこそ、
一度は崩れた複雑な母娘の真の心の通いあいが嘘くさくなく成立したのでは!グッド!

母親の頭の痛くなるぐらい娘を思う姿
娘が母親の愛の底知れぬ深さを想い知る姿
とっても胸に迫りましたえーん笑い泣き
母娘に惚れられた伊崎
彼は、不倫が花枝の夫にバレても、
一瞬も慌てた素振りを見せず筋が通っていた

『結局さ、
男も女も1日1日を必死に生きてる奴が一番色っぽいんだよ』
という言葉が実に美しいし、核心をついている。
内館牧子氏が一番言いたかったことでは!?
不倫が山口一家全員にバレた時、
伊崎が興奮した卓(山崎裕太演じる、千華子の弟)に、

たとえば、君と僕がハタチくらいの子を好きになったら僕を選ぶ人もいると思う。
俺の方が20も歳上で体力も衰えているのに。(それゃあ、あなたの方が経験も豊富だし面白いし、というの言葉を優しく制し)
女も一緒でしょ
って言い切ったのも、格好良かったなあビックリマーク
そして、本作がただのドロドロドラマで終わっていない!というのが
平田満が演じた花枝の夫の描写に強く現れていた。

よくあるパターンだと、
最後まで不倫をした妻を夫は責めるか、束縛したりしますが、
この夫はを殺そうとした時
殺したいほどの愛情がないことに気づくのだ!!ガーン

又、自分が授かり婚で花枝と家族になってから
花枝を女として見ていなかったことを潔く認め、何よりもまず自分を変えようとした
のにも驚き!

伊崎より更に年上の男(51=花枝と同い年)であり、同じく花枝を愛した男である彼の生き方や考え方は、伊崎以上に誇り高かったといえるおねがい

51歳で子会社に飛ばされた立場でも、
自分が今まで築き上げた人間関係や場所にしがみつくようにして残りの人生を生きるのではなく、
また新しく構築して楽しもうとする考えを持ち、
行動に移せる若さ
があったのですから!!

『誰の金で飯を食ってんだ!』などという様な前時代的なお父さんとは正反対です。
そして、色恋ではなく植木職人という夢を持っていた山口家の長男・

親友の謙吾が千華子と同棲していながら、同年代の友人に「彼女」と言えず「親戚」だと言って千華子を傷付けた時も、彼を殴り守ってくれた愛すべき弟…(´Д⊂グスン

演じた山崎裕太の可愛らしさが凄く出ていたニコニコ彼がいたからこそ本作は(山口一家は)バランスを保っていたし、
山口一家のお話=ホームドラマであるということが強調されていたと思う👍

「まだ30なのに頭ん中、結婚ばかりで、目標とかないのかよ!」
という、姉への愛のある説教も泣けた…しょぼん
でも結局、何だかんだ山口一家が大好きだったから、それぞれ別々の生活をしていく…っていうラストシーンは寂しかった😭

「年下の男」は、
「週末婚」等に続いての内館牧子作品ですし、ドロドロ恋愛モノに位置づけられてるのかもしれませんが、
これからの新しい家族の形
というものを強く打ち出していたと思うキラキラパー

子供たちへ、
「責任は持たないが、愛情は一生持つ。
一人で生きろ」
と言い切るお父さんの言葉…しみました😢
千華子「私、お母さんの娘で良かったよ」
強くなって美しい千華子ラブアップ
お母さんは、どれほど嬉しかったことか!(;O;)

千華子「昨日よりも今日、
今日よりも明日、
一回でも多く笑っていようと思った」
山口千華子の人生に、
千の華やかな笑顔が咲きみだれますように🌸