新車発表会に出席したラルフ・シューマッハ

2007年シーズンに向けた抱負を語った


以下ラルフ・シューマッハのQ&A


Q: 2007年について、どうお考えですか?
ラルフ・シューマッハ: 今シーズンに向けては楽観的だよ。

トヨタがドライバー、タイヤサプライヤーなど、すべての状況が変わっていない唯一のチームというのも、ひとつの要素だ。

そのことが安定性をもたらしてくれるから、僕らに有利に働くと思うしね。

それに、もう1年同じ状況が続くから、僕らはそういう意味でも勝っていると思う。

チームには成功するポテンシャルはあるし、今シーズンにそれを証明できると期待している。

スタートが待ちきれないよ。

Q: トヨタは2006年から何を学んだと思いますか?
ラルフ: たくさんの新しい分野に打ち込み始めたし、速さの面で多くの作業をしてきたことには、とても満足しているんだ。

残念だけど、僕らには信頼性の問題があった。

でも、終盤のほとんどのレースでは、ルノーとかフェラーリといったトップチームから、各周あたりの平均で、わずか0.2、3秒しか離されていなかったんだ。

だから、傾向としては確実に正しいってことだね。

Q: TF107の印象はいかがですか?
ラルフ: マシンはいろんなところが変わっている。

特に、開発される段階でね。

それらについては確信しているよ。

僕らは冷静に昨年の問題点を次々に解決していったんだ。

いい兆しだし、正しい方向に向かっているように思う。

エンジンに関しては、昨年抱えていた信頼性の問題は作用している。

ギアボックスのアップグレードとか、そういうメカニカルな変更があるだろうから、マシンはもっといい感じになるはずだよ。

それから、空力の進歩も確かだ。

これらがカギとなる要素だからね。

Q: 今年からブリヂストンはF1の単独タイヤサプライヤーになります。

  この状況について、どう思われますか?
ラルフ: かなりハッピーだよ。

本当のところ、それについては高く評価しているんだ。

だって、タイヤメーカーがタイヤ開発によって、より多くのリスクを負わなくてよくなるんだからね。

たとえ1秒遅くなったとしても、より安全なタイヤだし、レースはショーとしても素晴らしいままだと思うよ。

全チームにとって同じ状況だから、パフォーマンスに関する大きな疑問を取り除いてくれるんだ。

Q: トヨタはブリヂストンタイヤを履いた経験がありますが、そのことがアドバンテージになると思いますか?
ラルフ: 僕らが2006年に使っていたものとは、完全に違う構造なんだ。

でも、ブリヂストンのメンバーのことは僕らの方が知っているし、本当に密接な関係で作業していたから、そういう点では1年間のパートナーシップが助けになるって言えるだろうね。

プレッシャーとキャンバーの経験を積むことに加えて、どのレースでも限られたコンパウンドしか使えないと思うから、ブリヂストンがチームを助けてあげられることもそんなに多くないと思う。

Q: エンジン開発凍結については、どう思われましたか?
ラルフ: トヨタのような自動車メーカーとしては、常に最高のエンジンを製造したいだろうし、開発制限もしたくないだろうから、こういう問題は難しい決断だと思う。

でも、F1全体を見れば、悪い考えじゃないとも思うんだ。

エンジンの馬力やレブがもっとあったとしてもレースが良くならないだろうし、ファンはそういうところを見てやしないからね。

長いスパンで見れば、正しい決断だと僕は思うよ。

スピードをコントロールすることで、ドライバーがより安全になるしね。

Q: 2007年のあなたの目標を聞かせてください。
ラルフ: 今現在は、トヨタで優勝したいってこと。

トヨタはそれにふさわしいだけの働きをしているからね。

はっきり言って、どのドライバーにとっても世界選手権がメインターゲットだし、僕だって努力している。

でも、今はF1マシンをドライブできるってことが、僕のモチベーションを高めてくれるんだ。

自分の仕事を楽しんでいるし、チームの一員であることは本当に恵まれていると思う。

そうじゃなかったら、この仕事はしていないよ!

トヨタのようなチームで働くことができて、トヨタの体制も落ち着けるし、実際、もっともっと楽しめるようになったんだ。

トヨタに加入した時から、いつも僕はチームでの時間を楽しんできたけど、今の方がもっとそういう気持ちが強いかな。


おしまい