当時のPRIDEを運営していたKRSの代表幹事であった黒澤浩樹。今回変則的(顔面パンチ無し、ロープブレイク有り、掴みは5秒まで)ではあるが総合格闘技に挑戦。


対するは203センチ130kgのイゴールメインダート。セコンドにはジェラルド・ゴルドーを携えている。




1R、いきなり得意の下段蹴り、合わせてタックルに行くのはメインダート。黒澤は足から崩す作戦でひたすら蹴りを見舞う。メインダートは覆い被さるとそのまま後方に投げを見舞う。上になったが、すぐにロープブレイク。再びスタンドになるとメインダートが顔面へのパンチを当てたため一時中断。黒澤に下段を蹴らせないようにするためメインダートが距離を詰めてまた投げを放つ。すぐ様ロープブレイクとなったが、黒澤の足元がふらつく。実は投げを堪える際に靭帯を断裂していたがレフェリーは止めようとしない。下段蹴りを見せても転倒してしまい、踏ん張りが効かない事でドクターチェックが入るが再開。正拳突きを受けて転倒した所で第一ラウンド終了。


第2R、上を脱いだメインダート。下段蹴りを放つ黒澤と寝技に持っていきたいメインダートの構図がはっきりする。黒澤もテイクダウンディフェンスはないがロープブレイク有りのルールを上手く使う。


第3R、黒澤が下段蹴りを連打、締めに後ろ回し蹴りも見せる。メインダートは1Rの打撃や投げ技はどこへやらタックルに行くばかり。だが、黒澤の足がついに限界を迎え、立つ事もままならずレフェリーが試合を止めた。




この試合で語れることは2つ。1つは、本来はブックありの試合で(片八百長のはず)、アクシデントが起こった事でメインダートは勝利したが、内心ヒヤヒヤしていただろうし、裏で何かあったかもしれない。故に2R以降のメインダートはタックル一辺倒だったが、恐らく下段蹴りをあえて貰って倒れた方が展開通りに出来ただろうにと感じる。


2つ目はこの試合のフルバージョンがかなりレアである事。私が見たのはネットに載っている日本のDVDが転載されたものだが、日本のDVD版は2Rと3Rが一部カットされている英語版に関してはこの試合自体ないものとされている。実家にはSRSのPRIDE特集があるがそちらも当然ダイジェストである。フルで見た人というのは会場で見た人ないしスカパーなんかで見た人だけだが、もしこの映像があるならとても貴重な人なのだ。試合内容が内容だけにあまり高値は出せないが、資料としては非常に価値のあるもののはずだ。