彼女の店を出て、気が付くと俺は何時ものバーに来ていた。
「ごめん、マスター給料前なんで、これで飲まして。」
２千円を差し出す。
「いいよＮＧ君、気にせんで好きなだけ飲みんさい」
彼女の仕事が終わるまでの数時間、アパートで待っていようと思っていたが・・
何故か、一人になるのが怖かった。
一人で部屋に居るのが辛かった。
誰でもいいから、そばに人が居て欲しかった。
「ＮＧ君、食事未だなんじゃろ？」
「何か作るから待っててね。」
マスターが奥で料理を作ってくれている。
毎週末、彼女と来ていたこのバー
ひどく昔の事のように感じる・・
マスターも俺の事を、気遣っているのか今夜は、口数が少ない
暫くしてマスターが電話で、Marioを呼び出した。
二人でカウンターに座り、黙って酒を飲む。
ただ・・機械的に・・
お互い何を話していいのか、分からなかった。
他のお客が増えてきたので、店を変え少し飲み、Marioと別れた
そろそろ仕事の終わる時間か・・・
アパートの下で彼女を待つ・・・胸が苦しい・・
酔っているのか？・・この俺が・・
酒に飲まれているのか？
仕事が終わり帰って来た彼女と、俺のアパートで過ごす。
夜明けまでの、ほんの一時を・・・
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