工芸月々 ー 四谷工芸室便り




お久しぶりですm(.     .)m
苦手なパソコンでHPを立ち上げて(とは言ってもまだまだ制作中なのですが。。。。。(ノ_・。))早3ヶ月くらい??
最近インターネット経由で修理や金継ぎ教室のお問い合わせを頂くようになりましたm(u_u)m
インターネットって凄い。。。。。。
本日のご紹介はHPを見て修理を依頼してくださった方の器です。

夜、仕事が終わりインターネットタイム。
メールを開くと『四谷に住んでいるので、“四谷” “金継ぎ”で検索しましたらこちらのHPにたどりつきました』との文面が、お聞きしたところ、なんと同じ町目ではないですか(ノ゚ο゚)ノ
しかも歩いて5分のところにお住まいだとか。
インターネットって世界を繋いでいるけれども、こんなに近くの他人同士も繋ぐ事が出来る代物なのですね。。。。。。

器を受け取りに伺うと、お若くてすらっとした殿方でまたビックリ。
私が金継ぎを始めた時に、もちろん何代も受け継いでいきたい様な素敵な骨董品はもちろんですが、出来ればお若い方々も骨董品ではないけれど、たとえば結婚記念とか、お祝いや頂き物など、思い出のつまった器を気軽に直しに出したり出来るようになればなぁと思っていたので、とっても嬉しい気持ちになりました。
出てきたのは瀬戸製のペアの茶碗。金と白の色違い。とっても薄くて繊細で、『あぁ、なるたけ細く純金で線をひいて直したら綺麗だろうな。。。。。』と思いました。
後もう一つ真っ白な小鉢。貝殻のように薄く綺麗に割れていて、『真っ白だし純金だと主張しすぎてしまうので、純銀でつや消しで仕上げたら上品でいいかな。。。。。』と。
いい感じで直して頂ければというご依頼だったので、そのまま第一印象で仕上げてみました。
この作品も最近のお気に入りです。
モダンな器を金継ぎや銀継ぎでお直して、元々のモダンさがよりいっそう引き立ったような気がします。
直し終わった器を受け渡すのに、『ずっと行ってみたいと思っていた四谷駅前にあるロンという喫茶店はいかがですか??』とご提案頂き、実は私も10年くらい四谷にいるのに一度も行った事が無く、もちろんぜひいってみたいと思っていたので、なんて素敵な機会なんでしょうと、そこで待ち合わせをすることになりました。
ロンはこ~んなに細い建物ってあるんだな~。。。。。。  と思うくらい細長くて密やかな純喫茶です。
朝急ぎ足で四谷駅に向かっていたら気づきもしないような控えめなたたずまい。
隣の隣にあった四谷名所『三金』さん(トンカツ屋さん。冬にある牡蛎フライが好きでした)が少し前に長い歴史に幕をおろしてしまわれて、今はサンマルクカフェに。
古いもの好きな私としてはこんな正統派な純喫茶にはなくなってほしくないな。。。。。。
でも、こんでる純喫茶なんて嫌だな。。。。。。
昔見た吉永小百合と浜田光男の『ガラスの中の少女』(60年、日活)という映画で、お嬢様高校生吉永小百合ちゃんのお屋敷がどうやら四谷で四谷駅周辺がたびたび出てくるのですが、(そのころ四谷駅の前にはチンチン電車が通っていて、高校生だった私にはなんとも印象的でした。しかし、四谷駅と橋は変わりないんだな、丸ノ内線ももうあるし。)その映画を見た時は、二人が四谷の駅をおりて喫茶店でお話をするシーンに使われていたのはこのロンじゃないかと少し思っていたのですが、映画の記憶がもう定かでないので、わからずじまい。

うっかり話がとんでしまいましたが、器をお返しした時に、このペアの茶碗は会社を立ち上げた時に記念に頂いたものだそうで、あぁ私の野望が一つ階段を上がれたなぁと嬉しくなりました。
金継ぎの依頼をしたのは行きつけの料理屋さんで直した器が出てくるとの事。お知り合いに和物を扱っている方がいろいろいらしゃること。四谷の事。
コーヒーを頂きながらとても面白い話をして下さって、なんだかとても良い夏の午前でした。