アルコール依存症からのリカバリーについて解説した「Finding Your Best Self (最高のあなた自身を見つけて)」(リサ・ナジャヴィッツ著)をざっと読んだ。


同書のポイントは、アルコール依存症だけを解決しようとするのではなく、引き金となったトラウマ(心の傷)と合わせて、依存症に至ったメカニズムを理解しようという取り組みだ。その上で、より一歩進めて、今まで自分に対して抱いていたネガティブなイメージを転換し、希望のある人生への扉を開く内容となっている。


読んでいて、ある元服役囚のインタビューを思い出した。父親が失踪し、残された家族のために、十代の彼は街に出てコカインを売った。父親がコカインの売人だったので、何の疑いも持たなかった。逮捕されて、初めて過ちに気がついたという。


30代や、40代になって、初めてトラウマに気づくこともある。依存症を乗り越えるのは、自分自身で気づく場合もあれば、信仰の力で雷に打たれたように一瞬で転換する場合もある。友人やメンターの励ましによる場合もある。いずれにしても、自分のアイデンティティーをネガティブからプラスに転換し、自分の成長を信じて想像力を膨らませていくプロセスが大事だ。


ただし、依存症が進むと、自分の力だけでは対応できない場合がある。フォーク歌手のジュディ・コリンズは、矯正施設で1か月間アルコールを断ち、他の入院患者たちとの作業を通して、依存症を克服できた。依存症を乗り越えた経験と自信が、その後の息子の自殺に際しショックを乗り越える力になったという。


依存症とはトラウマとアルコールの影響で、心も体も窒息しそうな状態。それに対し、リカバリーとは、「ベストな自分を発見し、自分を大好きになるプロセス」と言えそうだ。


https://shipfan.jp/

https://furikake-mania.com/