消費者の方から、あるいはディストリビューターの営業から、時々お酒の賞味期限について聞かれることがある。アルコール飲料なので、腐ったりする事はないが、より美味しく楽しんでいただくために、目安として製造から1年とお伝えしている。


もちろん保存状態が酒質に与える影響は大きく、日光の当たらない、涼しいところに保管するのが一番良い。


僕がもう一つ気になるのは、商品の賞味期限ではなく、ブランドの賞味期限だ。消費者にとってブランドが飽きられていないか、古臭いイメージになっていないか、売り上げが落ちていないか。


80年代から90年代にかけてアメリカで大人気だった男山、春鹿など、愛好していた世代が高齢化したこともあり、人気が凋落している印象だ。久保田、八海山なども、若い世代をつかめていないのではないだろうか。堅調に見える獺祭、くろさわ、菊水などもブランドの魅力を落とさないように、新しいファンに訴求する努力が必要だろう。


そのために必要なツールは何だろうか。酒ファンの裾野を広げるための飲みやすいフレーバー酒やリーズナブルな価格帯の商品投入、イベントなど。


また、各ブランドがそれぞれの認知度を上げるために競い合い、結果として日本酒の認知度が上がることが期待される。クルマさえ数年に1度はモデルチェンジしているのに、10年以上も同じラベルで売っている日本酒は少し怠慢かもしれない。