何と言ってもお魚が好きである。見るのも、さばくのも、食べるのも好きである。仮に、この先口にするものを魚か肉かどちらかに限定しなければならない、という法令ができたとしたら、迷うことなく「お魚で！」と答える。お肉も好きなのだが、さばいたことはない。その意味では、お魚との方が付き合いが深いと言える。
某月某日
相模大◯の近くに新しい居酒屋さんができていた。なかなかな立地のお店で、人通り少なく、近くに目立つお店もない。夜遅くに歩いていると、まさに誘蛾灯のように目に入る看板がポツンと光っているだけである。外にはいくつかオススメの書かれたお品書きが貼られている。うん、こういうのは安心できる。初めて入るお店では、期待によるワクワク感もあるのだが、当たりかどうかのドキドキ感もまた強い。雰囲気、名物、客層、椅子の座り心地やテーブルの高さ、店員さんの一挙手一投足やお勘定まで、様々な部分でドキドキしてしまう。もちろんここからでは中の様子は分からぬが、しかし、数々の不安を和らげる一助になることは確かである。ましてそこには「ウマヅラハギ姿造り」の文字が見える。本カワハギやウスバハギ、ウマヅラハギは我が好物なのである。いかに入らぬことのあろうか！
我が愛しのホッピーを注文すると、なんとお通しが二つも供された。しかも、二つとも気合いの入った逸品である。これだけでも、お酒が美味しく飲めそうである。
しかしやはりお魚である。何はともあれ「ウマヅラハギ」である！
何とも綺麗に盛り付けられたお刺身である。さらに後ろの方に肝がたっぷりと添えられている。これだけをつまんでもよいし、醤油であえて刺身につけてもよい。何ならご飯を注文し、肝和え丼にしたら悶絶することうけ合いである。ま、先のお通しとこいつにゃ、やっぱり日本酒かな……。いやはや、ここはいいお店だな……。
某月某日
いや～、先日のお酒が気に入って、またすぐに行ってしまったやないの！そうなのである。ボクは気に入ったお店にはしつこい位に足繁く通ってしまう気質なのである。
先回と同じようにホッピーを注文すると、やはり念の入ったお通しが２品。両方ともに系統の違うものであるのが嬉しい。
そしてこの日のお魚は……。
いやはやこれにゃあ、やっぱり日本酒ですな！
うーむ、こりゃしばらくはここに通いそうだ。