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食べて飲んで唄って笑って

45を越えた自由人の思いつきで始めたブログです。「食」と「釣り」を主なテーマに綴っております。もしよろしければご笑覧下さい。

普段あまり歩かないところを歩いてみようと思いつき、府中に向かう小道に白羽の矢を立てた。




とはいえ、府中道は長い。全道程制覇は難しい。なので今回は時間で区切ることにし、まぁ、2時間位歩いてみよっかな、という、なんとも軟弱な心構えでのスタートすることにした。



碑に刻まれた文字を読むのはすこぶる楽しい。何とはなしに、「旅」をしている気分になる。文明の利器を使った旅行も好きではあるが、足で一歩一歩歩みを進めるのは、まさに「旅をしている」という感じがする。

時折大きな通りを跨ぐことになるが、基本的にはさほど広くない道である。両側には家々が立ち並んでいるが、やはり散歩道なのだなぁと感じるのは、そこここかしこに、ちょいと休憩のできるスペースがあることである。


住宅街にひっそりとたたずむ美容院や酒屋を横目に歩くこと一時間ほどで、何やら見覚えのある通りにぶつかった。ほほう、ここに繋がるのか……。別段たいした発見でもないのだが、妙に感慨深い。これはあれだ、自分で1から作ったギョウザに抱く感覚に近いのかもしれない。
予定時間を半分過ぎたので、ここからは大通りを歩いて行くことにする。そういえば、以前記事に書いてそのままにしていたラーメン屋さんはこの通り沿いにあったはずである。やっていたら寄っていこう。



長いこと思い描いていた~、あのラーメンに~、出会った~。というわけで、つ、ついに、あのラーメンに出会いましたぞ!濃厚なトンコツスープと細麺を主軸とした、変に気取ったところのない質実剛健としたラーメンである。ものすごく空腹にして、一気にすすりこみたいラーメンである。強かに飲んだ後の、〆としても食べたいラーメンである。本当ならば、替玉を二回ほどしてお腹を満たしていきたいのだが、しかし今は散歩の途中である。ここで満腹になることは許されぬ。何とか理性を保ち切って、後ろ髪を引かれる思いで、替玉はせずに、未練タラタラ店を後にしたのだった。

少々下ると、商店街らしき通りがある。何か面白いものはないかとサーッと歩いてみたが、何しろ平日の昼下がりで、営業しているお店自体が少ない。残念ではあるが、ここも次回の楽しみとしよう。

さて、しばらく大通りを歩くと、馴染み深い駅に出た。なるほど。この駅前の道、ちょいと複雑になっていて、どこがどこにぶつかってどこに向かっているのかがよく分からなかったのだが、歩いてみて一つ氷解。なるほど、なるほど……。
さて、ちょいと予定時間をオーバーしてしまったのであるが、今日の散歩はここまでにしよう。少し疲れた。
軽く一杯できるところを探しつつ、駅近くの魚を売りにした居酒屋へ入る。


のっけから日本酒でスタートである。最初は儀式的にビールやホッピーから入ってしまう傾向が強いのだが、それは腰を据えて飲食するときであって、「軽く……」の場合は、「前略」してもよいように思う(個人の見解です)。



歩き疲れたからか、身体にやさしいものをつまみたくなり、大根のつまを中心としたサラダを注文。やや酸味の効いたドレッシングが、我が肉体を入念に解きほぐしていくようである。



おわかり頂けるだろうか……?鯛のカブト焼きである。小ぶりの鯛だが、左右一匹分そろっていてワンコインというリーズナブルさである。もちろん焼き加減も塩加減も申し分ない。
……しかし、カブトに相対すると「カニ現象」が起こってしまう。すなわち、酒がお留守になる、というやつだ。もしかすると、カニとカブトで減酒生活ができるかもしれない。

うん、距離は短かったし、時間もそれほどではないけれど、それなりに新しい発見があった。今度は夕方以降に、あの商店街にいってみよう。