北海道に住む研究者の放言 -8ページ目

子どものためのニセ科学雑誌

医学は科学か?米山公啓『医学は科学ではない』

新党日本のサイトが役に立つ

モノゴトの正しい疑い方の本『「科学的」って何だ!』

アンモナイトの進化の果て

黒岩比佐子『日露戦争 勝利のあとの誤算』

安倍さん、もう再チャレンジはないよ

民主党はなぜ参議院予算委員長のポストを手放したのか

大荒れ臨時国会前夜の動き

升田幸三『勝負』に学ぶ

 升田幸三といえば、奇行、奇言、奇相などなど「奇」の字が似合う将棋指しである。A級のまま引退したので、実力制第4代名人という肩書を将棋連盟にわざわざ創らせた。NHKの将棋番組に出て途中画面から見えなくなったと思ったら便所に行っていたなど、枚挙にいとまがない。

 ただのわがままじじいだったかといえば、全くそうではない。羽生3冠は、当時だれも気づかなかったような新手を編み出した、そんな升田将棋の独創性に驚いている。


 『勝負』を読み返してみると、「勝負」に対して意外に常識的な、それでいてハッとさせる発言をしていることに気づく。


「実は私は昔は、臆病はよくないと判断していた。が、今は違います。いかんのはこわがってうしろへ引き下がってしまうことであって、警戒心とか注意力とか、あるいはてんぐにならんようにするためには、むしろいいんじゃないか。」「ぼくは3大タイトルとったが、その当時、身体が弱かった。そのためにタイトル戦のとき、もう勝負がきまっておるのに、いや、どこかに間違いがあるんじゃないかと臆病になって、水を飲んでみたり、寝て休息したりしながら、やった(略)このために、ミスがなかったんですね。」


「高段者やタイトルをとった人が、ばしっと駒をおいたのはいいんだけど、二歩だったりしたというのがよくあります。先のよめる人の弊害ですな。これは将棋のみならず、政界でも財界でも先のよめる人が、そういう失敗をしています。(略)かえって先のよめない人の方が、人事だとかなんだとか、身近なことの政治はじょうずです。つねに神経質に、身のまわりのことをほじくりまわしているから。先のよめるやつほど、案外その点がおろそかになるんだな。天の配剤というのは、妙なものですよ。」


今週日曜日に郷田9段が二歩で負けた(日本シリーズ)。まさに至言である。

勝負 (中公文庫)/升田 幸三
¥720
Amazon.co.jp