≪ひやおろし≫というお酒のお話し  其の2 | 酒人との一期一会「酒語(SAKEGATARI)」

≪ひやおろし≫というお酒のお話し  其の2


酒人との一期一会「酒語(SAKEGATARI)」

▲8月7日に開花して美しい姿を見せてくれたハスの花も


花ビラも散ってしまい、このように花の実だけとなりました。


この実は、滋養強壮に良いとかで食せるそうです。また、


挑戦欲が湧いてきましたので、食してみてご報告いたします。




日本酒は1年をかけて熟成していきますが、特に暑い盛りの夏を


越えると大変身。気温の高い夏には急速に熟成が進み、味わいの


成分が馴染んで、大きく変化します。

旨みが増して、まろみを帯びて、もっともバランスのよい状態に。


その熟成の旨みを、もっともよく伝えてくれるのが、この「ひやおろし」


なのです。

穏やかで落ち着いた香りと、やや濃醇な味わいが特徴です。


まさに円熟の味わい。旨みののった秋の味覚とも、相性も抜群の


美味しさです。


前回でもご説明いたしましたが、日本酒では、発酵を止め、雑菌を殺し、


香味を保つため、「火入れ」という低温加熱殺菌を行います。

通常は2回、まず貯蔵する前に1度、さらに出荷直前に1度、行われます。


「ひやおろし」は、この2度目の「火入れ」をせずに出荷されます。

1度目の貯蔵前に「火入れ」するのは、安定して熟成させるため。


冷蔵技術が発達した現在では、「火入れ」をしない生のまま低温貯蔵


することも可能ですが、それでは熟成が進まず、秋口に熟成の旨みは


出てきません。

2度目の「火入れ」をしないのは、熟成による風味をそのままお届け


するため。熟成中に出てきたお酒本来の香りや、馴染んだ味わいが


加熱によって壊されず、そのまま楽しむことができます。

お酒本来の香味がいきる蔵出し風味、それが「ひやおろし」です。

花山酒店の「ひやおろし」は全て、出荷前の火入れを行っていない


ので、お買い上げ後、召し上がられるまで生酒と同じように冷蔵庫に


入れて保管してください。