今回は大好きなお酒「信濃鶴」が造られている現場をみたく、
駒ケ根の銘酒「信濃鶴」を求めて長野県駒ケ根市にある長生社へ。
北原社長とは久しぶりの再会。
長生社は430石の小さな酒蔵で純米にこだわり、2001年から全量純米酒化したという珍しい酒蔵です。
ちなみに1番最初に全量純米酒化に取り組まれたのは、埼玉県の神亀酒造です。
創業は大正9年で、広島県の賀茂鶴の指導を受け設立されたそうです。
信濃鶴の鶴は賀茂鶴からとったそうですよ。
他にも当時の賀茂鶴の5号蔵を真似て造られたそうです。
蔵の中も丁寧に案内していただきました。
まず驚いたのは、酒造りに必要な設備が充実していること。
日本酒造りは原料選びや設備を整えることがかなり大事なのです。
菌も生き物なので、菌にとって快適な環境、酒造りには不要な菌をゼロに近づけるための清潔な環境が大切なのです。
泡で優しく洗うことのできる洗米機、5段仕込みの製麹機、そしてサーマルタンクの充実。
5段仕込みの製麹機は新政なども導入しているのだとか。
これがあれば夜寝られるよ、と言われたらしいのですが、それでは美味しい酒は出来ない。
自分の目と手でしっかりと面倒をみないと良い麹が出来ないそうです。
充実した設備で経験のある造り手が揃ってやっと美味しいお酒が出来ます。
今まで以上に造り手をリスペクトする気持ちを大切にしないといけないと想いました。
サーマルタンクは温度管理ができる酒造りには欠かせないタンクで、酒質を安定させて熟成させることが可能です。
借金してまでこれを取り入れたとは、酒造りに対する情熱がひしひしと感じられました。
美味しい酒を造るためなら設備投資を惜しまない。そんな姿勢にも胸が熱くなりました。
こだわりの酒造りとはこの蔵のことを指します。
日本全国を旅するなかで気づいたことがあります。
日本には世界に誇れる素晴らしいモノがたくさんあるってことに。
しかし、それと同時に素晴らしいモノが埋もれてしまっている現状。
コンビニエンスストアやスーパーマーケットに行くと素晴らしいモノよりも普通のモノが高く売られていたりする現状。
それを普通に買ってしまう現状。
田舎は都会よりも物価が安いから素晴らしいモノが安くであったりする。
素晴らしいモノは田舎に行くと普通のモノになってたりする現状も。
田舎に住む人はこの素晴らしいモノがあたりまえになっていて素晴らしいモノということを忘れている現状。
都会に住む人や海外から来た人は素晴らしいモノがこの値段で売られていることに気づいてほしい。
そして気づくと驚く。
そして、その素晴らしいモノだけがフォーカスされてブームになる。
これではダメだと。
これが繰り返されている間はたくさんある普通のモノのなかに素晴らしいモノがひとつあるだけにすぎない。
素晴らしいモノをもっと手軽にいろいろな人に見てもらえるマーケットが必要な気がする。



