生命式 | 日本酒バー開店日記~日本酒BARあさくらat京都~

生命式

短編集というのは並べ方も大切だな、とあらためて思いました。
 
 
『生命式』
村田沙耶香
 
 

 

 

表題作の『生命式』から始まるこの短編集。

いきなり衝撃的です。

スゴスギル!!

というか、ヤバいっしょ!!

と、語彙力が極端に少なくなってしまいそうなくらいにドキドキしました。

40ページほどの短いこの作品、最後まで読み切れずに本を閉じてしまった人は結構いるんじゃないだろうか。

芥川賞をとったコンビニ人間、受賞後の地球星人、その二冊しか村田さんの小説は読んだことがないですが、その二作と通底する小説世界。

静かなる異常性(狂気と言い換えてもいいかもしれない)による恐怖。

恐怖させるような描写はない。

だけど、コワい。

私たちの生きている世界では異常(あるいは狂気)とされていることが、小説の中ではごく普通のこととして淡々と描かれている。

いつもと変わらない日常として描かれているがゆえに、間違っているのは自分ではないのだろうかという錯覚に陥りそうになっていく。

正常と異常、彼我の世界があいまいになっていき、自分が立っているのはどこなのかあやふやになっていく。

しょっぱながかなりの衝撃なので続く作品たちはそこまででもないし、うん、これはマトモ!

というのが既に罠にはまっていて、それぞれ個別に見てみると、実はやっぱり何かがチガウ世界です。

短編集全体を通じて漂っているそうした不穏な空気。

不穏、いや、不安、でしょうか。

天才というのとは違う、ヤバい人だと思います、村田沙耶香さん。

コワい。

でも、読みたい。

 

日本酒片手にほろ酔いで読むと、さらに幻惑的な世界に?

今度試してみようかな・・・。

 

 

第60回酔読会

「「復活の日」&小松左京」酔読会

日時:2020年4月20日(月)20:00~23:00

場所:日本酒BARあさくら

会費:2500円(復活の日、小松左京にからめてお酒を7種類)

※『復活の日』、小松左京の作品を読んでご持参ください