舞美人ナイト! | 日本酒バー開店日記~日本酒BARあさくらat京都~

舞美人ナイト!



昨日は福井県から美川酒造の蔵元杜氏である美川さんをお迎えしての舞美人ナイトでした。
午後7時の開店と同時にお客さんは来てくれたのですが、
宅急便の到着が遅れ一時間近くやきもきというトラブルで幕を開けた舞美人ナイト。
最初から来ていただき、お待たせしてしまったお客さんにはご迷惑をおかけしました。





ナイト二日前の火曜日に蔵で色々なお酒をきき酒して、
どのお酒を持っていくかを選んだということもあって、
いつものナイト企画と比べてもかなりユニークなラインナップとなりました。
さて、そのラインナップはといいますと、



舞美人 純米無濾過生原酒
舞美人 純米吟醸無濾過生原酒
舞美人 純米吟醸あらにごり
舞美人 吟香系2007ひやおろし
舞美人 特別純米無濾過生原酒2004年醸造
舞美人 純米吟醸無濾過生原酒2004年醸造
舞美人 純米大吟醸原酒2004年醸造
舞美人 ???





吟香系2007は私が常温で寝かせておいたもの、
2004年のものは非売品、
あらにごりは残数少数で取り置きのため終売、
???というのは、
実は美川さんが初めて醸したお酒で、
1995年に造った純米酒を記念に一本だけ取っておいたものだそうです。
なんと8種類のうち今年のお酒は3種類のみで、
他はすべて熟成酒、古酒という今までのナイト企画にはないラインナップ。
さらにさらに、
ただでさえパンチのある味の舞美人ですが、
ほとんど全てが原酒という濃い~内容に。
いやあ、何度もナイト企画はやってきましたが、
ここまで個性的なラインナップというのはなかったです。


正直な話、どれをとっても文句なし。
それぞれにうまみのノリ方が違う。
今年の純米、純米吟醸ともに他の蔵と比べて格段に味ノリが早く、
うまみの塊のようなお酒ですが、
酸もキュッときいていて全くしつこさを感じません。
あらにごりは米粒がそのままの形で残っていて、
これまたうまみがバツグン!


去年のひやおろし「吟香系」は去年ですらひやおろしとは思えない熟成具合だったのに、

一年経ったら「あらまあ、こりゃすごいじゃないの」という味ノリ。

う~ん、予想通り、いや予想以上の熟成具合に驚かされちゃいましたね。



2004年の特別純米はアルコール度数が12度と低めですが、
うまい具合に上品な酸が出ていて全体のバランスが素晴らしく取れた
やさしいやさしい熟成酒です。
これよりも更に味が進んでしまうと古酒好きの領域になってしまうでしょうが、
ライン際で踏みとどまっているという感じです。
同じ2004年でも純米吟醸の方はいい感じに熟成しています。
古酒、濃いお酒が好きな人にはたまらないでしょう。
同じく2004年の純米大吟醸。
これは山田錦40%精米のお酒です。
純米大吟醸なのでこれはきれいなお酒に違いない、
と思うお客さんが多かったのですが、
いやいや、そんなことはないのですよ。
2004年のお酒3種類の中で一番濃くて甘いのがこのお酒。
チョコレートと合わせるのがピッタリな一杯です。
どちらかというと、いつもならフィニッシュのお酒に選んでほしいところですが、
この日はラストのお酒に相応しい逸品があります。
それはやはり、美川さんの処女作1995年の純米酒です。


美川さんの記憶によれば、五百万石の65%精米だったそうで、
それを13年間に渡り冷蔵庫に保管。
濃い内容のお酒が続きましたが、
それらを全て洗い流してくれるような上品できれいなお酒です。
冷蔵熟成のお手本のようなお酒で、
アルコールの角がすっかり取れて丸みしかなく、
ほんのり口中に広がる桃のような香りはとても上品で
一切のひっかかり、いやみを感じることなくきれいに喉を流れていきます。
それでいて頼りないかというと、
芯の部分にしっかりとした骨格が感じられ、
当時は越後杜氏について学んだばかりの新潟流の酒作りを踏襲しつつも、
現在のがっしりしたお酒を造る美川さんの片鱗を垣間見ることができます。
ああ、なんて貴重なお酒を分けていただいたんだろう。
本当にありがたいことだ。
私なんかを信用してくれ、貴重なお酒を持ってきていただいた美川さんに心から感謝しました。
美川さん、本当にありがとうございました。