花巴その2~酸を出す酒造り、もろみ~
花巴の蔵の中に入ると、
蔵元の橋本さん親子が出迎えてくれました。
橋本さんは
「私達が目指しているのは、
なるべく酸を出すお酒を造ろうということです。
酸と言っても、乳酸ではなくコハク酸やリンゴ酸等、
酸味が浮き立たずしっかり味となじむような酸を
出せるように心がけて酒造りをしています」
とご挨拶。
のっけから面白いことを言うなあ、
さすがはあの酒を造っているだけあるなあ、
と思いました。
通常、酒造りにおいては酸が出過ぎるのはいいことではない、
とされています。
皆さんも時々目にする
『金賞受賞酒』
というようなカテゴリーでは特に酸はなるべく出さないようにされていて、
酸度は概ね1.0から高くても1.5というところでしょう。
いわゆる、欠点のない酒造りですね。
金賞受賞酒は酸度が低く抑えられているにしても、
普通のお酒でも2.0を越えることはそう多くはありません。
ところが、花巴さんの山廃は、
2.0どころか酸度がなんと3.0!
酒造りを指導する鑑定官の先生方からすると、
何という数字だとあきれられてしまうでしょうが、
呑んでみると酸味は感じるものの、
蔵元の言葉通り酸だけが浮き立つようなことはなく、
しっかりしたうまみとなじんで味わい深くなっています。
う~ん、おそるべし。
昨年その存在を知ってから、この花巴はずっと懸案事項でした。
ようやく蔵に来ることができ、
蔵元が予想していた通りのことを言ってくれるのでうれしくなってしまいました。
蔵元の挨拶が終わり、早速蔵見学です。
人数が多かったため二手に分かれ、
まず私達が案内されたのは、醗酵中のもろみタンクです。
搾る寸前の山廃本醸造、
それぞれ日数の違う山廃純米。
非常に元気でもろみを少し飲ませてもらうと、
かなり酸がきいています。
蔵元が案内前に口にしていた通りの味わいです。
花巴の山廃は酵母無添加の蔵つき酵母です。
蔵つきでやると決めてから、
実際にお酒ができるまでには色々と苦労もあったようです。
涙ぐましい試行錯誤を重ね、ようやくたどりついたという話を聞くと、
すごく努力されているなあと感心することしきりです。
