【三重錦 中取り 純米大吟醸 火入れ】
このお酒のデータは…
●蔵元 中井酒造場(三重県,伊賀市,上野西大手町)
●特定名称ほか 純米大吟醸酒 中取り 火入れ
●原料米 三重県産「山田錦」(精米歩合 50%)
●酸度 1.6 ●アミノ酸度 0.9
●日本酒度 +4 ●アルコール度 16%
●酒造年度 H18BY
一目瞭然!の【経過簿ラベル】
11月も月末に近づいて、各地の蔵元からは今シーズンの「しぼりたて新酒」の出荷情報が次々と寄せらてきており、またお店では、12月の忘年会の予約の電話が一気に増えてきました。
そんな日々の中で、WEBサイト上のSAKE SHOPをチェックしていて興味を引かれた一本がコレ、
【三重錦 中取り 純米大吟醸 火入れ】です。
これは三重の中井酒造場が、「山田錦」を50%まで磨いて醸した純米大吟醸酒を、マイナス温度の冷蔵庫で3年間「氷温熟成」させたもので、瓶には通常のラベルを貼る代わりに、下のような「経過簿」と呼ばれるものが巻きつけてられています。
「経過簿」とは、モロミを仕込んでから発酵が終わるまでの、毎日の発酵経過や温度管理状況などを細かく記録したもので、これを見ればそのお酒がどのようなプロセスで造られたかが、一目瞭然で判るようになっています。
香りのトーンは抑えめで、「寒つばき」を想わせる花の微香や、「竹の子」のようなミネラルを感じさせる山菜類の香りがあり、「控えめかつ穏やかで、落ち着きのある香り」といった印象です。
口当りは穏やかで、大人しい甘味とスッキリとした酸,そして透明感のある旨味が口に広がります。
余韻は短めで、キレのある酸とドライ感のある苦味を伴いつつ、スーっとフェードアウトしてゆきます。
コクやボリューム感は控えめで、「サラリとした飲み口で、淡麗辛口のスッキリとした味わい」の
お酒でした。
ややドライな印象のあるこのお酒の個性を活かす為に、
まずは 【関サバのお造り】からです。
「関サバ」とは、大分県の佐賀関沖の豊後水道で一本釣りされるサバのことで、餌が豊富で潮の流れが非常に早い水域で回遊している為、人間で言えば「アスリート」のようなサバに育ちます。
食べてみると、身が締まっていてコリコリとした歯応えがあり、そして次第に口の中でとろけて旨味が滲み出してきます。
「三重錦」と合わせてみると、このお酒のスッキリとした味わいと「関サバ」の上品な味わいが、全く違和感無くキレイに調和してゆきます。
余韻にはやや苦味が残りますが、こんなドライ感のあるタイプのお酒には、「大トロ」のようなしっかりと脂が乗った魚よりも、「関サバ」のような程好く脂のある魚の方が、どちらかと言うと相性が良いようです。
次に合わせたのは【たぐり生湯葉】です。
これは豆乳を温めて表面に張った膜を、手繰り寄せて引き上げてから畳んだもので、豆乳をタップリと含んでいます。
わさび醤油で刺身風に食べてみましたが、柔らかくしっとりとした食感で、大豆のほのかな甘みが感じられます。
お酒と合わせてみると、「三重錦」の透明感のある味わいが生湯葉の持つ旨味をより一層引き立ててくれます。
もともとは「大豆」が原料なのに、まるで「真鯛のお造り」を食べているような錯覚を覚えてしまう、チョッと不思議な感覚の美味しい組合せでした。
話は冒頭に戻りますが、「経過簿」というのはいわば「酒造りの日記」のようなもので、これを見ると仕込みタンクの中で、モロミの発酵温度や日本酒度etc.が、日々どのように変化してゆくのかが良く判ります。
こんな風に、そのお酒の「経過簿」を眺めながら呑むのも、なかなか興味深いものですね~。
