●蔵元 酔鯨酒造(高知県,高知市)
●特定名称 特別純米酒
●原料米 愛媛県産「松山三井」(精米歩合55%)
●酸度 1.6 ●アミノ酸度 1.1
●日本酒度 +7 ●アルコール度 15.8%
●酒造年度 H20BY
【四国フェアの酒】を選ぶ
4月の新年度を迎えて、お店では昼の食事タイムを中心としてフレッシュマン達の姿が目立つようになり、それに合わせるように、今週末は都内各地でも桜が満開となりました。
私の住むマンションの隣にも、大きな桜の老木があって今年も見事な花を咲かせてくれたので、例年通り「マンションの5Fの非常階段」からお花見をさせてもらったのですが、満開の桜の木を、梢の高さから見下ろす景色はなかなかのものでした。
話は変わりますが、当店を含む首都圏の和食8店舗合同で、5月上旬から「四国フェア」というタイトルで四国の郷土料理を販売することとなり、例によってそれに合わせて販売する「オススメ地酒」の決定を任されたのですが、今回は四国四県の地酒を幾つか呑んでみた中で、土佐の高知の
【酔鯨 特別純米酒】を選んでみました。
香りは、微かに「熟したバナナ」のような甘い果実の香りがあり、それに「スペアミント」を想わせる爽やかさを感じさせる香草の香りが加わって、「ほんのり甘やかかつ爽やかさも感じさせる香り」です。
口に含んでみると、ほのかな甘味とキレの良い酸,そして穏やかな旨味の調和がスッキリと取れていて、コクやボリューム感はやや控えめに感じられます。
全体の印象としては、 「サラリとした呑み口で、キレの良い味わいの辛口酒」でした。
今回はチョット「酒の肴」にこだわって、WEBサイト上の高知農協直売SHOPから、地元高知県の食材をわざわざ取り寄せて合わせてみることとしました。
まず一品目は 【どろめ(生しらす)】です。
「どろめ」とは「カタクチイワシ」の稚魚で、これを茹でて干したものが一般的には「しらす」又は「じゃこ」と呼ばれているものです。
生のままで小鉢に盛っておろし生姜と醤油で食べてみましたが、独特のねっとりとした食感で生臭みはほとんどなく、余韻には魚のハラワタのほろ苦味がアクセントとして残ります。
「酔鯨」と合わせてみると、やや両者の味わいが平行線をたどってしまうようなイメージがありますが、お酒のスッキリとした味わいと、「どろめ」の余韻の心地良い苦味の両方がしっかりと残るような組合せでした。
そして二品目は珍味? 【うつぼのタタキ】です。
さすがにこれは初体験の食べ物なので、恐る恐る口に入れてみましたが、意外なほど柔かく淡白で旨味もあり、ほとんど白身の魚に近い味わいです。
一緒に入っていた「タタキのタレ」(酢醤油に味醂と砂糖を加えた三杯酢に近いもの)をつけてお酒と合わせてみると、「酔鯨」のほのかな甘味とシャープな酸,そして「うつぼのタタキ」の旨味とタレの酢と醤油の味わいが口の中で複雑に絡まりあって、これはなかなかに美味しい組合せでした。
ちなみにこの「酔鯨」というお酒の名前は、酒豪だった土佐藩主の山之内容堂の雅号(ペンネーム)である「鯨海酔候」(げいかいすいこう)から取って付けられたそうですが、この人物は往年のバンド柳ジョージ&レイニーウッドの名曲「酔って候」で歌われたり、小説家の司馬遼太郎氏の作品「酔って候」で語られていて、何となく懐かしさを覚えると言ってしまうと、私の年齢がバレてしまいますかね?!
