たんご           しょうぶ

端午の節句: 菖蒲酒

            うま

端午は月の初めの午の日を意味し、端午の節句は5月の初午の日と言う事になり、陰暦の5月5日に当たります。

田植が終わり、植えた稲の魂を再び呼び起こして稲の生育を祈る祭りとして、その日は野に出て、飲食をしながら楽しく遊んだという風習から来ています。

また、よもぎで作った人形を家の門に立て、菖蒲酒を飲んで、病や災害などに遭わない儀式を行って、家内安全を祈りました。

宮中で行なわれた騎射(走る馬の上から、弓矢を射て的に当てる)などの勇壮な行事は、その後武士の習慣となり、さらには男の節句となったとされます。

菖蒲酒は、菖蒲の根を糸のように細く、細かく切ったものを酒に浸したもので、万病に効くとされていました。


七夕の節句

陰暦7月7日の夕のことで、秋の収穫を控え、洪水などの自然災害が起こらないことを祈り、川を祭る農耕儀礼に始まります。

                      けんぎゅう  おりひめ

星は水を司る神と考えられており、牽牛星と織姫星が出合うという、七夕伝説につながります。

奈良時代の初期のころ、星の祭りは宮中行事の中で、七夕の催しとして行われました。

  ながやおう                                         やまのうえおくら

  長屋王の邸宅で催された七夕の宴に招待された山上億良は

          あま          う       こよひ         わがり き

  ひさかたの 天の河に船浮けて 今夜か君が 我許来まさむ

  (天の河に船を浮かべて、今夜はわが君が私の所へおいでに

  なることであろうか)

など、七夕の歌を12首詠んでいます。

貴族の間では、七夕の夕べを、このように歌を詠いながらの「宴」を楽しんでいたようです。

                                 つづく