先日発表された『PCエンジン mini』のおかげで最近PCエンジンのことばかり考えています。収録して欲しいソフトが多すぎるのです。今回は「収録されるであろう名作」をいくつか抜き出して紹介しましょう。一部趣味もありますが名作なので問題ないと思います。
前作『天外魔境ZIRIA』が当時では考えられないアニメ演出、フルボイスのイベントシーンなどアニメを遊んでいると思わせるような衝撃作で、それの続編に当たります。『ZIRIA』よりも強化させたイベント演出に、広井王子さんの世界観を彩る桝田省治さんの圧倒的なシナリオに引き込まれます。久石譲さんと福田裕彦さんの音楽も勇壮で美しく、オーケストラ音源が収録されたことでも話題になった作品です。戦闘が終わって戦闘BGMがシームレスにフィールド曲に変わっていくのが本当に美しいんですよ。
『PCエンジン mini』を出す理由の7割がこれであると自分は言い切ります。なぜなら多数の移植作は『MANJI MARU』であって、『卍MARU』のバージョンはいまだに出ていないからです。一部過激な表現の規制は時代だから仕方ないところがあるのですが、移植版は音楽が微妙に違ったり、台詞の変更はあっても全体をうまく変えられずに変な表現になってしまったりオリジナルに届かない不満点が多いのです。願わくば『天外魔境 ZIRIA』共々収録されてほしい歴史的な名作です。なんなら『PCエンジン mini』にPCE版を入れるために年齢制限入れてくれても構いません。
『天外魔境』でもシナリオを務め、後年『俺の屍を越えてゆけ』でも有名な桝田省治さんの作品です。「主人公は勇者じゃない、魔王はいない、世界は救えない」がテーマになっているRPGで、8年後に崩壊が確定している世界で主人公達は世界に存在している動物を雌雄でなるべく多く捕獲することが目的になります。シナリオは3つのエピソードに分かれており、そのうち2つは今なお語り継がれているくらいエログロで強烈なイベントだらけです。具体的にいうと18歳以上推奨のシールがパッケージに貼られてたくらいですね。
動物の捕獲自体が自身の強化にも繋がり、捕まえて余った動物(雌雄ひとつがいでいいのです)から素材を手に入れて装備を作ったり、売却したりと用途は様々です。動物にもレアな存在が多く、通常じゃ見つからないような物もいるのでコンプリートは困難でしょう。8年という時間制限内で試行錯誤を繰り返すことになります。王道を徹底的に外したこのゲームは今でも異色の輝きを見せていますね。
「夜、一人で遊ばないでください」のCMが印象的だったPCエンジン初のRPGです。ギーガー調(実際に一部はギーガーのイラスト)のイラストとダークでホラーな世界観が強烈でした。ストーリーとしては比較的王道な魔王的存在を倒すことを目的としたもので、勇者である主人公は仲間二人を選んで世界を旅することになります。
この仲間選択がなかなかの罠で、組み合わせによってはクリアが困難というかほとんど無理なものも存在します。もっとも使えない仲間がいるというわけでなく、組み合わせでの相乗効果なのです。いや、正直強さの格差自体は覆せないくらいあるのですが。そもそもの雑魚敵ですらかなり強いゲームなので、やりごたえは抜群のゲームと言えないことはないかも知れません。当時クリアできなかった人も、今ならクリアできるかも知れませんね。知名度は高いゲームなので確実に収録される一本だと思います。
ギャルゲーの大いなる金字塔といえるこのタイトルの初出、実はPCエンジンなんですよね。学園生活で勉強やイベントなどを通して女の子と仲良くなる、まあ今さら説明することがないくらいのゲームです。後年の移植版で追加ヒロインが一人もいないって今考えると初期ユーザーをなかなか大事に思っている感じですね。
話題的でもありますし、コナミ発表の『PCエンジン mini』で収録しない理由がないゲームだと思います。
アーケードの移植版の縦スクロールシューティングゲームですね。『ツインビー』シリーズの続編で、溜め撃ちなどの要素が追加された最初の作品です。世界観の設定も練られ、アニメ調のキャラクターが目立つようになりました。この設定がこの先のシリーズの基本設定になっていることでも非常に重要な作品ですね。シリーズを通して良好なBGMと、かわいい雰囲気も高い難易度のゲームデザインが魅力的な作品です。
ところでこのゲームを思い出すと『ツインビーPARADISE』という単語が必ず頭をよぎり、当時の思い出が色々と湧き出てきますね。吐血しそう。
こちらもアーケード版の移植作品ですね。横スクロールシューティングを代表する名作のひとつです。アーケード版の制作はアイレムですが、移植開発はハドソンでした。ギーガー調のデザインに巨大な敵、強力ながら癖の強い自機のパワーアップアイテム「フォース」など画期的なシステムが目白押しの名作になります。
当時のPCエンジンのHuカードでは容量が足りず、一本のゲームを2つのカセットに分けるという今考えるとわりととんでもないことをやっているソフトです。『Ⅰ』をクリアするとパスワードが出るので『Ⅱ』でそれを入力すると装備充実でスタートできる仕様ですが、逆に言うと『Ⅱ』から始めると本編のステージ5を裸一貫ではじめさせられるという恐ろしいものでした。後日CD-ROM2で2本がまとまった版が出ているので収録するならそちらでしょうか。
PCエンジンを語る上で外せないメサイヤから発売された横スクロールアクションゲームです。博士によって勝手に改造人間にされた太助とキャピ子の二人を操り、悪の組織を倒していくゲームです。二人同時プレイが楽しいゲームで、協力技などの要素もあります。ゲームの目的は悪の組織にさらわれた博士を取り戻して元の体に戻ることなのですが、まあ色々あってそのままなのはお約束でしょうか。
収録されるならば3作目の『異界のプリンセス』になると思います。シリーズ初のCD-ROM版でグラフィックや演出面が向上しています。敵味方どちらも有名声優がよく喋るのも魅力的ですね。メサイヤの人気キャラ「うみにん」もここが初登場になりますね。ちなみにスーパーファミコンで出た外伝的な『零』はサテラビューで出て遊べる人が少なかったのですが、2017年に互換機でも遊べる用のカセットが販売されてちょっと話題になりましたね。PCエンジンではないですが紹介だけはしておきます。
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ナムコのアーケード移植作のひとつです。一部ステージが減っていたりなど、ボリュームが削られてはいますが演出面で強化されています。主にお色気な部分など。敵を倒してお金を稼ぎながら自身を強化していくアクションゲームで、マルチエンディングだったのが特色のゲームですね。とにかく序盤はお金です。ボスだってなんだってお金が必要なのでひたすら殺し、ひたすら稼ぐことになります。
その結果最終面での演出が効いてくるゲームなのですが、とにかく単純に難しいのでやり込みがいのあるゲームでしたね。PCエンジンのラスボス(?)がまさかオリジナルとは当時知りませんでしたが……あれ攻略本ないとクリアできません。PCエンジン独特の音源を活かしたBGMが良く、非常に印象的です。
「ベラボー参上!」でお馴染みのナムコのアクションゲームです。こちらもアーケードからの移植作なのですが、移植というより作り直している作品になります。変身能力を得た主人公がベラボーマンになり、悪の科学者爆田博士と対決する面クリア制のアクションゲームになります。手足どころか首が伸びる、水中面では変形してミサイルを撃つなど自由自在なベラボーマンのアクションが楽しく、各ステージの難しさも絶妙な作品です。
福引ロボがステージ中やクリア後にアイテムをくれるんですが、こいつを殴り続けると怒ってゲーム中一切アイテムをくれなくなったりする遊び心もありますね。アイテムをくれないとベラボーマンは死にますが。
こちらも移植作ですが、移植の完成度は上二作よりもアーケードに近いものになっています。地獄より甦った景清を操り、魔に支配された2本の地で宿敵・頼朝を倒すことが目的になります。基本は横スクロールのアクションゲームですが、ステージによってはトップビューであったり、ボス戦は通常より大きく描写された景清を操るモードであったり様々な演出が工夫されています。何度もかなり高いのですが、ステージ選択のおかげである程度プレイに余裕が出てくるのがありがたい部分ですね。
『源平討魔伝』と言うと扱っている題材のせいか、開発スタッフに色々と事故が起こりお祓いをしたという逸話が有名ですね。昔から源平でしたりあの方を扱うゲームに怖い話が起こりがちなのは有名です。
ハドソンと言えば『ボンバーマン』シリーズですが、PCエンジンでその文化の花が咲いたと言っていいでしょう。マルチタップによる多人数対戦や、その後も設定の根幹に関わる敵の存在などの要素がPCエンジン版で完成しました。その中でも『'94』は人気キャラクターの「ルーイ」が登場したことで有名な作品です。シングルモードの難易度も程よく、もちろんマルチ対戦では盛り上がること間違いなしの傑作ですね。ハドソンとPCエンジンを代表するゲームと言っていい作品なので『ボンバーマン』は必ず入ると思いますね。懐かしがって『PCエンジン mini』を買った人で一緒に遊べる友達を4人集められるかは謎ですが。僕は無理です。
PCエンジンと言えばこれは外せません。プロレスゲームの完成形の一つと言っていいですね。実在レスラーをモチーフにしたキャラクターに対してのこだわりが圧倒的で、シリーズを重ねるごとにプロレス欲がどんどん増幅していくのを感じられる作品です。須田剛一さんがディレクターとして参加した『3』ではレスラーエディット機能が追加され、単純にキャラや仕様技を選ぶだけではなく「場外から何秒でリングに戻るか」「相手のダメージ度合いでどういう技を選択するか」「そもそも走るレスラーか」など様々な思考ルーチンを設定することができました。エディット機能があり、そもそもレスラーのキャラ数の多い『ファイヤープロレスリング3 Legend Bout』が選ばれると嬉しいですね。
細かいAI設定が可能。
細かい設定を作ってCPU同士で戦わせるのもファイプロの醍醐味ですね。
ハドソンから発売されたヘックス制シミュレーションゲームです。月面を舞台に人類と侵略軍が争い合うことになります。生産という概念が存在せず、ステージ内にある工場を占領することで補給されるユニットを頼りに敵勢力を全滅させることが目標になります。敵を包囲すると相手の能力が大きくダウンする、敵同士はユニットの隣を簡単に移動できないなど戦略面でのシステムが優秀です。歩兵は弱いのですが、彼らでなければ施設の占領が出来ないので護る必要がありますし、そもそもユニット自体は有限なので無碍に扱うこと自体が敗北に繋がります。
シンプルなシミュレーションゲームに戦略性の高いシステムが噛み合った、今やっても間違いなく面白い傑作ゲームですね。せっかくなので続編である『ネオ・ネクタリス』が収録されてくれると前作もまるまる遊べるのでお得な感じです。
ファルコムから発売されたアクションRPGです。移植作でなく、PCエンジン用に開発されたシリーズになります。敵を倒しながら自身を強化する、王道なタイプのゲームになっていますが特徴的なのは章のボス戦が突然横スクロール画面になることでしょうか。CD-ROM作品なので大容量なシナリオや声優陣による台詞もあり、実に豪華なゲームになっています。ストーリーも王道なのでいつの時代も安心して遊べます。
ファルコムにしては珍しく、『風の伝説ザナドゥ』は他機種にほとんど移植されていないゲームとして有名ですね。一応PC用の二作収録完全版は出ていますが、それなりに入手困難ですし今のPCだと動くかもわかりません。今遊ぶとしたらプロジェクトEGGで買うしかないので、この機会に収録してくれたら遊べる人が増えるのではないかと思います。
次回はもうちょっとマニアックなところの紹介にしましょうかね。