近年日本人テニスプレイヤーの活躍が話題に上がります。テニスのニュースをテレビで見かけることも増え気がしますね。さて、そんなわけで今回はテニスゲームの紹介です。1993年にナムコ(当時)から発売された『スーパーファミリーテニス』です。系統としてはファミコン時代に出た『ファミリーテニス』の正当進化作品になります。PCエンジンで出た『プロテニス ワールドコート』で可能になった最大4人対戦(要はダブルス)の要素も可能になっている作品ですね。あの頃はどこの家庭にも多人数対戦用のマルチタップがあった気がします。

 

 

 

 テニスとしてのゲーム要素は初代ファミリーテニスで最低限の完成をしているシリーズですね。強打と通常の使い分けや、トップスピン・スライス・ロブなどの打ち分けがボタン2個のファミコン時代から完成していたのは驚愕です。スーパーファミコンになってボタンが増えたことで操作がよりわかりやすくなり、操作キャラの個性がはっきりでるようになり完成度が更に上がっています。

 

シンプルながら完成度が本当に高いゲームです。

 

 使用できるキャラは20人で、男女混合で遊ぶことができます。ほとんどのキャラに実在のモデルがいるのはファミスタのナムコらしいと言えるでしょう。ブンブンというキャラは「ブンブン・サーブ」という強烈なサーブの代名詞で有名なボリス・ベッカーがモデルで、そのとおりサーブはゲーム内でも屈指の強烈さを誇ります。他にもチナチロパ(=ナブラチロワ)などいおりますし、日本人男子プレイヤーのウメゾー(梅造)は松岡修造さんですね。ただ、『スーパーファミリーテニス』はモデルがいないと思われるオリジナルキャラも多いですね。その理由は少し先でわかりますが。

 

 モードは自由な組み合わせで遊べるエキシビジョンモードと、五大大会の制覇を目指すトーナメントモードの二つになります。テニス自体が面白いので気になりませんが、いささかシンプルなゲームモードですね。それでもトーナメント制覇を目指して遊び続けます。トーナメントはパスワード管理もできるので何度も挑戦してじっくりと攻略していきましょう。そして、ついに五大大会を制覇したところで感動のエンディング……の部分で隠しコマンドが表示されます。さて、それを入力したところでこのゲームのもう一つのモードが遊べるようになります。

 

『スーパーファミリーテニス 栄光の南十字星』

ナムコットシアター

 

ストーリーモードです。

 

 この辺はさすが当時のナムコとしか言いようがありません。PCエンジンの『ワールドコート』ではドラクエみたいな謎のRPGモードがあったり、スーパーファミスタでは心理テストのようなキャラ作成モードがあったりしました。ナムコのスポーツゲームは本編の完成度を高めた上でちょっと変わったおまけモードを用意するのが多かったんですよね。ナムコットシアターは操作キャラの一人である「マコ」を主役としたスポ根ストーリーです。

 

ライバルお嬢様のビューティ

 

妹のサキちゃんが誘拐もされます。

 

「決勝戦でオレに負けるんだ」という犯人の正体は誰なのでしょう。

画像は決勝戦で対戦するワイルドル。

 

 この試合は1セットごとにワイルドルからのコメントが入り、マコに対して徹底的に負けることを要求されます。妹のことが大事なので仕方なく数セット相手に取らせたところで再びイベントシーンが始まります。

 

スポ根なので当然サキちゃんは無事助けられます。

助けた(?)のはダンディというハンサム男。

 

 この調子でストーリーは進んでいき、マコちゃんは究極のテニスプレイヤーを目指していくことになるのですが、基本的に相手の能力が自分より高いので試合はかなり苦労することになります。ゲームに慣れていないとサーブを拾うことすら困難になりかねません。そのためにトーナメントモードを制覇させてプレイヤーの技量を上げていたのですね。負けるデメリットはなく、パスワードもあるので何度でも挑戦できます。

 

テンションの高い南米男・ダンディ

 

人が誘拐されることもあります(同シナリオ中2回目)

ライバルとダブルスという熱い展開も待っています

 

 各大会をめぐり、ラスボスの「レッドエース」との対決にたどり着くわけですがこのキャラクターがゲーム中NO.1ステータスを誇っていることもあり、とにかく苦労します。それでも必死に食らいつき勝利することで、エンディングを迎えることになります。

 

ラスボス・レッドエースです。

その正体は誰なのでしょう。もうわかっている気もしますが。

 

 「栄光の南十字星」モード、おまけと言うにはあまりにも豪華なのです。そもそもキャラの立ち絵や顔のアップなどここでしか明かされませんからね(一応説明書にキャラの説明はあるんですけれども)。マコを含めここに出てくるキャラはほとんどゲームオリジナルキャラで、モデルはおそらくいないと思われます。初代にいたキャラの多くがいなかうなっているのもそのへんが理由なんでしょうね。ちなみにマコや牧野コ…レッドエースなどオリジナルキャラはこの先のテニスゲーム『スマッシュコート』にも出演しています。

 

 今遊ぶ方法がほとんどないのでぜひ遊んでくださいと言い辛いのが難点ですね。バーチャルコンソールでも出なかったのが悔やまれます。ナムコ時代のスポーツゲームはファミコンからプレイステーション時代までどれもこれも水準が高いのでぜひ遊んでほしいですね。

 

 ※筆者はレトロフリークを使いPCでキャプチャすることでスクリーンショットを撮っています。