
仙台・八幡町出身のサンデーカメラマン・サカズキです。先日、職場の同じ建物で働く別オフィスの方から、ご親族の遺品というフィルムカメラを授かりました。1976年製 Konica C35EF後期型(ニューC35EF)です。
以前、Canon EX AUTO で撮った写真の記事もありましたが、この Konica カメラも同じ方より授かりました。
このカメラを受け取った晩、私は早速カメラクリーニングをしていたのですが、カメラ提供者のご家庭では同じ晩に、今回のカメラ譲渡のことを知らない方から、このカメラの所有者だった亡きご親族の思い出話が不意に出たのだそうです。元所有者の方も天国で喜んでくださっていたからなのでは、という話を提供者の方と後日させていただいた次第です。
さて、提供を受けたこのカメラ、私と同い年です。
1975年に発売された前期型C35は、世界で初めてエレクトロニックフラッシュ(ストロボ)を内蔵したカメラとして世に出され「ピッカリコニカ」の愛称で親しまれました。翌年発売されたこの後期型はセルフタイマーが搭載され、シャッター速度も1/60秒と1/125秒の2速から一段速い1/250秒を得られる3速化の改良が施されていました。レンズスペックは 38mm F2.8 です。スマホで撮るより少し狭くなる画角でしょう。
提供されたカメラは、外観上では本体に多少の擦れは見受けられるものの、ストラップは当時モノで擦れておらず、状態はかなり良いもの。レンズ内に極めて小さなカビらしき斑点が確認できましたが、撮像には影響無さそうと判断してレンズクリーニングはしないこととしました。

フィルムカメラ、ストロボ内蔵ということ以外に、このカメラの機能等を簡単に説明すると、まずビューファインダー機であって一眼レフ機ではないこと、ゾーンフォーカス方式(目測距離でのピント指標合わせ)であること、露出計が搭載されておりプログラムAE(シャッター速度と絞りの自動調整)であること、などでしょうか。
動作確認ですが、まずはシャッターが切れる等、メカニカル部分の動作はすぐに確認できました。あとは電気系です。
ストロボ用の単3乾電池2本を入れてみました。充電完了を示すパイロットランプは点きませんでしたがストロボは発光しました。続いて露出計用のボタン電池を交換しようとしたら、Made in USA の675PHOTOという規格の古電池が入っていました。とりあえず手持ちのLR44を入れたところ露出計が動くことが確認できました。
さあ、あとは実写テストです。
とりあえず昨年の引っ越しの際に転がり出てきた20年位前の未使用カラーネガフィルムを突っ込んでみることにしました。

背面をパカッと開けて、フィルム装填の儀。
若い人、やったこと無いよね…(苦笑)。

20年位前に叩き売りされていた記録用カラーネガフィルムを装填。元々の色ノリも悪いだろうし、経年による不良も心配だけど、まずはテスト撮影ですから、と。ちなみに ISO 100の感度です。
背面の蓋をパチッと閉めて、じーこ、かしゃ、じーこ、かしゃ、っとフィルム送りとシャッターを切る動作を2回ほど繰り返して、フィルム装填の儀、終了♪
いざ、カメラ持って出陣!
…。
というわけで、2日間でフィルム1本使って試写完了。
フィルムですから、デジタルのように撮ったその場で撮影結果を確認することはできません。カメラ屋さんにフィルムを持って行って、1時間ほどの待ち時間でプリントされてきた写真たちは…。

お、とりあえず撮れてる。
曇り空の三居沢不動尊は薄暗く光量不足でしたね、ISO 100 では…。
ゾーンフォーカスなので、目盛りを1mに合わせて撮って、近くの絵馬にピントが来るようにしたけれど、どの絵馬にピントが来るのかは撮影時には分からず…。
レンズには「1」「1.5」「2」「3」「5」「∞」と距離指標(m換算)があり、被写体との距離を目測し、フォーカスリングの指標を合わせてザックリと撮ります。

お滝も薄暗くなっちゃった。
フィルムカメラだと、一度入れたフィルムは(勿体ないから)途中で交換できず、入っているフィルム感度が次に撮るときのシチュエーションに合わない、なんてこともよくありました。上画像の場合、場所が薄暗いのでフィルム感度を高めの ISO 400 くらいにして撮りたいけれど、入れてるフィルムが低めの ISO 100 だった、という時に撮れる光量不足の霞んだ感じのありがちな一枚です。
日を変えて場所を変えて。

大崎八幡宮へ。
目測でも、かなり気を遣えば?上画像くらいにピントが良い位置に来て撮れてくれます。

どこかノスタルジーな写り方。

古い写真のような、今の様子のような。

やっぱり ISO 100 だと薄暗い場所に弱い…。

雰囲気は好く撮れる♪

ファインダーとレンズに、ちょっと視差があり過ぎるかな…?ファインダーを覗いて見た光景と、実際の写真とで、フレーミングに違和感がある。
移動して。

龍寶寺へ。このカメラ、逆光にも弱い?かも。

順光ならばイイ感じに。

出来上がった写真を見て、なるほどな~と。アレコレ試してみた結果、このカメラの扱い方が少し分かったかも…、と。
引き続き後日、モノクロフィルムに入れ替えて八幡町をぶらぶらっとしてみたのでした。
(つづく)
☆前回の「何処っ写?」解答☆
●第1問【初級】…三居沢・三居沢発電所導水隧道
●第2問【中級】…八幡・四ツ谷用水横坑(文殊菩薩堂下)
●第3問【中級】…荒巻仁田谷地・仙山線山屋敷隧道
●第4問【上級】…荒巻仁田谷地・聖沢川(仙山線下)
●第5問【超上級】…八幡・採石施設跡(推定)
Sendered by 盃【サカズキ】