八幡町PHOTO歩記。+

八幡町PHOTO歩記。+

仙台市青葉区八幡町のこと。

『 八幡町PHOTO歩記。+ 』にお立ち寄りくださいましてありがとうございます。

 当ブログは、宮城県仙台市青葉区にある八幡町に生まれたアマチュアカメラマン・盃【サカズキ】が、八幡町や近隣界隈のことを趣味のカメラ撮影を通じて紹介している超ローカルブログです。

 当ブログを通じて、地元の方々はもちろん周辺地域の方々や、カメラ趣味等を共にする方々が “ぶらり”と八幡町を訪れてみたくなる、歩いてみたくなるような、そんな記事を心掛けて展開しております。

 当ブログの更新も久し振りとなってしまいました。所謂コロナ禍の折、流行の波の度に見受けられた不要不急の外出自粛呼び掛けや感染拡大防止の動きなどから、自分自身が出不精になってしまったことを第一に、当ブログ等で地域のことを発信したがために無用な人の動きや密を招くことにつながるようなことがあってはならないなぁという理由から、ブログ記事にするようなネタ収集活動も積極的には行っていなかったわけであります。

 しかし、コロナ禍となる前に準備していたものもありました。仙台名所にも数えられる「子平町の藤」を平成31年(2019年)に撮影し、翌年のブログ記事用に用意していたのですが、コロナ禍突入により記事にせず留保していたのでした。撮影して5年、ブログに掲載予定だった令和2年(2020年)からは4年を経て、やっとブログ記事にすることができました。

 さて。

 仙台城下の西、八幡町界隈の北に位置する子平町(しへいまち)には、古くから仙台名所の一つとして知られる「子平町の藤」と呼ばれる藤の名木があります。子平町は昭和42年(1967年)の住居表示実施により誕生した新町名で、江戸時代後期の経世論家・林子平の墓があることに因んでの改称でした。旧町名では半子町、伊勢堂下、長者荘、荒巻字裏町、荒巻字上郡山、六條通、新坂町などからなる地域で、藤の木があるところは旧「半子町(はんこまち)」になり、仙台城下から北西へと延びる在郷道・芋沢街道沿いという立地です。半子町の名の謂れは、当地の道を歴史的町名活用路線として通称「半子町通り」とする市の説明文に「半子衆が住んだことによる。二代藩主忠宗が慶安四年に大筒組として取り立てた旗本足軽二十二人が、頭髪を半分剃って印としたことから、この名が呼ばれた。」とされています。「子平町の藤」は、江戸時代には「半子町の藤」と呼ばれていました。

 今はマンション等の集合住宅が増えつつある住宅地、決して広いとは言えない昔ながらの道沿いに、板塀で囲まれたお屋敷があります。こちらが藤の木がある千田様のお宅です。手前の半子町通り(芋沢街道)は朝夕の通勤ラッシュで混雑することも常ですが、普段通られる方々の中にはこの板塀により藤の木の存在に気付くこともない、という人もいらっしゃるのではないでしょうか。藤の開花期には庭が一般公開されています。


 銘板が掲げられた門をくぐり、お邪魔いたします。


 素敵な小径を抜けて行くと…。


 藤の花が見えてくると同時に、保存樹木である旨の標識と説明看板が見えてきます。花を観賞させていただく前に、ここで藤のことをよく知ることができます。

 

 「子平町の藤」は、仙台藩祖である伊達政宗公が朝鮮出兵の際に持ち帰った藤を、現所有者の千田家先祖が拝領したものと伝えられています。伊達政宗が従軍した文禄の役(1592-93年)から持ち帰った苗そのものとすれば樹齢430年を超えてきている古木です。同じように持ち帰られた臥龍梅(がりゅうばい)も伊達政宗ゆかりの花木として有名です。

 

 千田家は元々、宮城県北~岩手県南を治めていた葛西家に仕えていましたが、天正18年(1590年)の葛西大崎一揆により葛西家が滅亡、浪人となった身を政宗公に御大工として召し抱えられて当地に移り、藤とともに今に在ります。千田家の詳細は藤のことと共に「伊達武将隊サイト」の「伊達武将隊かわら版vol.21」で記事になっていましたので、そちらをご覧になられるとよく知ることができます。千田家当代様のお話が大変興味深いものとなっております。


 それでは、いよいよ藤の花を拝観させていただきます。(撮影した2019年は気候等の影響により花房が小さめの年だったように記憶しています。)


 敷地の広さはもちろんあるわけですが、今となっては極普通の住宅地の中にある藤棚の規模ではない!430年以上続く御屋敷であるからこその藤棚です。


 複雑に入り組んだ藤の幹や蔦の造形にも生命力と経てきた歳月を感じます。


 一種、現代から離れたような空間というか空気を感じてしまいます。藤の花の芳香も一際その演出に効果的に利いているのかも?


 しばし、藤の花に魅了され続けます。










 夢の中にいるような一瞬を感じられたのなら。


 藤の花のほかにも楽しませてくれる花々があります。






 花々と御庭、御屋敷の風情を存分に。


 かつての藩主が国見峠方面に行かれる際、同行する奥方が藤のある千田家の庭の東屋で帰りをお持ちになったのだとか。


 悠々と流れる時間を紡いできた「子平町の藤」に、あなたにまつわる時間を重ねてみて、過去から今、今から未来へと思いを馳せてみる…なんて、壮大なことをおススメするわけではないですが、樹齢約430年という藤に様々な思いを抱いてみてみるのも好いかと。



 令和6年(2024年)の一般公開は、5月5日(日)~9日(木)の各日10時~16時とアナウンスされていますが、先週御親族の方にお話を伺ったら、スケジュールを決めた後に好天高温が続き開花が思いのほか進んでしまっているみたいで、公開初日には花のピークを越えてしまっているかもしれない…とのこと。今年は早めの拝観が良いかもしれません。

 

※「子平町の藤」は個人宅敷地内にあるため拝観は節度をわきまえ、所有者様へはもちろん他の拝観者、近隣住民にも配慮して来場・拝観しましょう。

※.駐車場の台数が限られているので公共交通機関を利用しての来場が呼び掛けられています。仙台市営バス路線では「子平町・北山循環」または地下鉄南北線北仙台駅と地下鉄東西線川内駅をつなぐ路線「地下鉄北仙台駅行き」「川内駅行き」各路線の「子平町壽徳寺前バス停」下車が最寄りとなります。

 


 

「子平町の藤」

〒981-0944 仙台市青葉区子平町3(千田邸内)

 


 

Sendered by 盃【サカズキ】

 

 

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