令和4年産みかんの生産量減について考察 | さかたのみかん

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みかん農家として独立したので、タイトルを変えました。
家業は相変わらず、肥料屋です。

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ブログにしっかりと書くのは本当に久しぶりです。

 

自分自身が忘れないために書いておこうと思います。

 

みかん農家の方なら実感されてると思いますが、地域による多少の差はありますが令和4年産のみかんは収穫量が激減しています。

 

これは花の時期にすでに分かっていたことで、私もいくつかの対策を打ちましたが、十分な量の確保までには至りませんでした。

これを対策してなかったらと思うと、ゾッとします。

その対策に加えて、我が家は晩生の青島が偶然にも初なりの年なので、最悪の結果は免れるのではないかと思っています。

 

様々な農家さんの話を総合すると、これに至った原因は秋から冬にかけての過度な乾燥にあったと思われます。

 

秋からの適度な乾燥は翌年の花を促進するのに有効ですが、それが酷すぎました。

ツイッターなどのSNSではそれを警鐘する農家さんもいましたが、完全に油断していました。

 

植物ホルモンの点から見ても、乾燥により根が傷んで春に必要なサイトカイニンの量が減ってしまって、花芽促進が促されなかったということになりそうです。

 

うちの産地には水源と言えるものがなく、普段の防除に使う水は雨水を貯めているために「水がない」というのが、自分の免罪符になってしまっていました。

 

野菜農家さんとの話の中でこの話題を出したら、「野菜農家からすると、過乾燥で花が飛ぶのは当たり前ですよ」って言われました。

 

それだけみかん栽培に水が重要となると、どうにか潅水ができる手はずを考える必要がありますが、様々なみかん農家さんのSNSを拝見していると、点滴潅水を敷設されてる方が徐々に増えてきています。

点滴なら、大量な水量も必要なく雨水で対応できそうというお話でした。

 

これをすでに2年前くらいから対応されてるのですから、自分の見識と観察力の低さを痛感しています。

 

果樹産地は、水がない産地が多いと思います。

水がないために米が作れない。山中で平らな畑が少ないために野菜も作れないから果樹が植わってる産地が多いですよね。

だからこそ、あまり水を必要としない作物が作られているはずです。

それも影響してると思いますが、農家さんの思考の中にも水を与えることがあまりないように思います。

 

潅水と言えば、夏場の干ばつ時。

高齢化や作業の大変さにより、それもやらない農家さんがほとんどになりました。

 

なのに、秋に潅水するという方は相当に見識が高い方だけではないでしょうか。

 

あまり考えすぎると、「もう九州でみかん栽培は無理な時代になったんじゃないか」と沼ってしまいますが、去年みかんがなっていなかった木は、今年は表年になっていますので、そのサイクルはまだ保たれているようです。

 

露地栽培はハウス栽培以上に天気に左右されますが、考えすぎても沼にはまるばかりなので、まずは自分ができることから始めていきます。