平成26年度みかんの総括 | さかたのみかん

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みかん農家として独立したので、タイトルを変えました。
家業は相変わらず、肥料屋です。

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一昨日をもちまして、26年度さかたのみかんの出荷も終わりました。

今年もたくさんお客様にご購入いただき、誠にありがとうございます。

今回は自分自身の忘備録も兼ね、良かったことも悪かったことも振り返ってみます。

今年は面積が狭くなったので、それをカバーするために、秀品率を上げ、玉揃いを良くすることがテーマでした。


【良かったこと】

①秀品率の向上

防除のタイミングが良かったために今までにない程良かったです。

最初のほうは1級品が8割という今までのうちでは信じられないくらい綺麗なみかんができました。
そのため選果も楽にでき、1人で選果をやっている割には箱数ができて、嬉しかったです。

しかし、それも懐や裾枝のみかんを収穫し始めると落ちてきた。

特に、防風林がある傾斜の畑は傷が多かったので、寒い間にできる限り伐採する。

②玉揃いの向上

極早生から早生、中生にかけて、L、Mが9割に迫ろうかというくらい揃っていたことは、雨が多い年だったことを考えれば、上出来。

晩生に関しては林温州という古い品種が植えられているために、どのくらいの玉伸びをするのか想像もできなかったので、無摘果にしてみた。

思っていたよりも玉揃いはしていたが、おそらく雨のおかげであろうことから、今年からは小玉を抜く程度の摘果は必要だろう。

③新たな市場での評価

今年から出荷する市場を一つ増やし、通常、新たな市場では価格を叩かれることが多いが、初年度にも関わらず上位クラスの価格をつけてもらえたことは、きちんと味を評価してもらったということで、葉面散布のやり方はやっぱり間違えてなかったことが確認できた。

こういう年には今後の自信になる。

【悪かったこと】

①浮皮の多発

今年はとにかく浮皮が多かったことが悔やまれるし、一番の反省点です。

今までうちは浮皮には無縁でした。
これは自慢できることの一つでした。

多発の原因は急に気温が下がり、外周部のみかんが一気に色づいたが懐や裾のみかんはまだ色づいていない。

そのために、収穫開始のタイミングを間違えてしまったことが浮皮を助長させてしまいました。

味を優先するために、出来る限り木に置いておくことを優先していますが、今年はそのあたりから改善しなければならないかもしれません。

②箱詰め作業の効率化

今年から大型選果機を使えなくなったために、1人で作業できるようになったのは良かったのですが、とにかく作業に時間がかかりました。

10kg箱を40程度箱詰めするだけなのに、朝から夕方までかかったことは大きな改善点です。


【良かったのか?悪かったのか?】

味についてです。

26年産は多雨のために、どこの生産者も通常よりも味が落ちていたことは間違いないと思います。

そんな中で初年度の市場から高評価を受けたのは、「他のみかんよりも美味しいもの」という毎年の目標は達しているのでしょう。

しかし、直売しているお客様からは様々なご意見をいただきました。

・「美味しいけど、前みたいな感動がない」

・「雨が多かったけん、こんなもんよね」

・逆に
「感動するほど、美味しかった」

・「毎年、美味しいみかんをありがとうございます」

こういう率直なご意見をいただけるのが、直売の良さです。

どのご意見も疲れた体を元気にしてくれます。


【今年度のテーマ】

①浮皮防止

浮皮防止のために、ジベレリンとジャスモメートを散布するつもりだが、多散布の場合の熟期の遅れ(着色の遅れ)が懸念させる。
じょうのうも厚くなるようなので、部分採取をすることで、防止できないか。
結局、収穫時期との兼ね合いになると思うので、時期になるまで情報収集に心がける。

結局、生産側が出荷できる青果の歩留まりを上げることが全ての解決につながる。

②切り上げ剪定の実施

今年、2反ほど面積が増えたが、かなり樹勢が弱っている。
うちみたいに新規就農者には、疲れ果てた園地を借りる可能性は高いために、そういう木を回復させるために切り上げ剪定を導入する。

隔年結果しやすいという南柑20号は連年結果しているために、今までの予備枝剪定も木に合わせて続ける。

以上が、今年の総括と今後のテーマでした。