去年6月から借り受けた熊本の畑の出荷推移を等級グラフによって振り返ろうと思います。
赤が赤秀、青が青秀、緑が優品です。
秀品率は一般的に赤秀の比率のことを言います。
特筆すべきは、11月16日まで赤秀が10%前半だったこと。
うちの選果は家庭の人間が私しかいないために、選果作業もパートさんにお願いしています。
仕事はそれぞれに役割分担されており、選別台に立つ人も毎年同じ人にやってもらっています。
とりあえず今まで通りの選別でお願いしましたが、その選別があまりにも厳しすぎる。
その結果がこれです。
今年は風や害虫の影響により例年よりも見た目が汚いみかんが多かったので、今まで通りの選別では秀品率ががた落ちなのは当然です。
人により違いますが、一般的に個選の選別はその年のみかんの傾向により変えていかなくてはいけませんが、それを毎年同じようにやっていては売り上げもなかなか向上しません。
初回なんて優品(3級品)が半分なわけです。
これではどれだけ赤秀の値段が高くても、全体の平均単価はがた落ちです。
そこで、パートさんに選別の基準を緩めるようにお願いしました。
話を聞いてみると、過去に農協の選果場で働いていた期間が長いとのこと。
一般的な個選の選別レベルから言えば、農協の選別はあまりにも綺麗すぎて、そこまでする必要はないだろうといったところです。
しかしそれでは売り上げが上がらずに払えるはずのパート代も払えなくなることや、個選は見た目よりも味で勝負することなどを話し合いました。
どうにか理解はしてもらいましたが、どんどん流れてくるみかんを選別するには一瞬の判断が必要です。
見える部分だけではなく、見える部分から見えない部分を予想することまで求められます。
ずっとやってればわかるんですけどね。
つまり、頭で考える暇はほとんどありません。
時間が経過して疲れてくるとなおのことです。
作業を観察していると、頭で考える前に手が動いている感じがしました。
何度となくそのことを指摘し、パートさんもそれに見合うようにがんばってくれていたんですが、どうしてもという部分があるために、人数を一人減らし更に選果機のスピードを上げて強制的に選別レベルを下げました。
みかんの外見自体が綺麗になってきたということもありますが、そんなこんなでどうにかこうにかというレベルまで上げられたのが約一ヵ月後です。
それでも50%弱という秀品率の低さは反省点です。
グラフ全体を見てもわかりますが、常に青秀が一番比率が多いです。
その原因は良く分かっています。
それはスプリンクラーによる防除に頼ってしまったの一点に尽きます。
スプリンクラーでは裾枝にかからないことは良く分かっていましたが、中には裾にまでかかるくらい水量を増やせば大丈夫という声も聞きますし、他にいろんなことを聞いていました。
まずは実践してそこから反省しなければ次に進めないという不器用な思考をしている私としては、今年はまずはスプリンクラーでやってみて、3町の畑の仕事に慣れることも目標の中にありましたから予想通りと言えばそれまでです。
今年はSSや手掛け防除を徹底することにより、農薬代の削減と秀品率の向上を図ろうと思います。
続く