ツイッターでもちょっとつぶやいたんですが、昨日イチゴのお客さんの所で「去年よりも上がったよ」という話を聞きました。
今年のイチゴ農家さんは今年と去年とかなり厳しい年を過ごしました。
要は収量があまり上がらずに、収入もかなり厳しかったです。
そんな中、久しぶりに明るい話を聞くことができ、それがうちのお客さんと言うこともあり、非常に嬉しかったです。
話を聞いていれば、ポイントはやはり観察と実行ですね。
その中でもやっぱり「樹勢維持」がどれだけ重要かを再確認しました。
一つだけ具体例を書きますが、このイチゴ農家さんはお婆さんと息子夫婦の三人で作業をされています。
そのお婆さんも80歳を迎えていますが、現役バリバリです。
それでも年には勝てずに、視力がかなり悪くなったと言われていました。
そこで今まではお婆さんと息子さんの二人でパック詰めをしていたところを、お婆さんはイチゴの管理に回り、パック詰めは息子さんでフィルム張りをお嫁さんがという分担をするようになったそうです。
ではパック詰めが一人減ったからといって作業量が落ちたかと言うと、逆に効率が良くなったそうです。
つまりは、一人がイチゴの作業に専念できるために、摘果などの手入れを充実させることができたということです。
イチゴ農家さんは収穫が始まると、パック詰めに忙しくなり、その間のイチゴの管理は少々疎かになります。
それはしょうがないことだと思いますが、摘果だけでもきちんとできるということは、収穫するイチゴが大玉で揃うということです。
そうなると、パック詰めも非常に楽になり、木も充実していきます。
そして、常に余裕を持って木の状態を見ることができる人間が一人いることが非常に大きな役割になるんじゃないでしょうか。
農業で収入を上げるには、やはり収穫までの管理が基本であり全てです。
みかんの場合は、管理時期と収穫時期が明確に分かれているために、一人の人間でも判断していくことが可能ですが、イチゴの場合はそれを同時に行っていかなければならないためにどうしても見逃したりします。
その管理に常に専念できる人間がいることがどれだけ大きなことかは、容易に想像ができます。
普通の仕事ならば、80歳のお婆さんなんて何の役にも立たないのが普通です。
それがイチゴ栽培の中で非常に重要な働きを任せられ、そのことが農業経営の局面を変えることができるということにまで影響するんですから、やはり農業は素晴らしい仕事ですし、管理・観察がいかに重要かを再確認した出来事でした。