平成18年産イチゴ | さかたのみかん

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みかん農家として独立したので、タイトルを変えました。
家業は相変わらず、肥料屋です。

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さて、今年もイチゴの栽培が終わりました。
                                                                                      
毎年のことですが、今回も私なりの考察をしようと思います。
基本的にはあまおうを念頭に書いていきますので、ご了承ください。

今年は去年に引き続き、低収入な年ではなかったでしょうか?
原因はなんと言っても、2番果の収穫の遅れです。

原因は、高温や乾燥なのではと考えています。
去年と違って、暖冬だったために本来なら、作りやすい年だったのではと思います。

2番果の遅れは、品種関係なく生じたことではないでしょうか?
数年前までとよのかが主力だった九州は、その数年でほぼ全てが新品種に変わりました。
福岡では「あまおう」、熊本では「ひのしずく」のようにです。

以前も書きましたが、新品種の栽培法がまだ確立していないことも確かですが、イチゴ農家さんのやる気自身が低下しているような感じがします。

品種が変わったことでの戸惑いに加えて、栽培法がはっきりしない。更には以前ほど平均単価が上がらない。タンソ病の蔓延。
そんなところでしょうか?

しかしやるべきことは変わってないように思います。
イチゴで考えなければいけないのは、中型の苗を作ることです。
地域によっては大型の苗を作るところもありますが、私の感触では2番果のことを考えると、中型の苗が最適なように感じます。

中型の苗と言っても、品種それぞれに大きさが違うので、それは各個人で判断してください。

次に、元肥です。
品種にもよりますが、あまおうを念頭に考えると、元肥の量は極端に減らしていいと思います。
窒素成分は最高でも、一反に5kgで良いのでは?と考えています。

その分、良質の肥料をやることです。一番良いのは「ぼかし」でしょうね。
ぼかしを施肥することにより、急激に窒素を効かせずに、2番の花芽分化を確かなものにしたいところです。

この元肥の施肥量に関しては、農家さんもまだ試行錯誤というのが現状のようです。
農協の指導も、とよのか時よりも半分くらいの施肥量となっているようです。
しかし栽培者の心理として、肥料つまりは栄養ですが、それを急激に減らすことは、心配なんです。

この心配はわかりますが、考え方次第です。
「肥料を減らす=窒素成分が足りないかもしれない」ということが心配なのでしょう。
しかし考えてみてください。

配合並みの肥効期間なら心配かもしれませんが、減らした窒素分でもそれが長く効くなら、そんなに心配しなくても良いのではないでしょうか?
そう考えると、やはり元肥には「ぼかし」が適切だと思います。

これを成立させるには、苗が中型以上であることが必須になると思います。

そして、定植後1ヶ月間は、とにかく根を張らせることだけを考えていきます。
そのためには、水のやりすぎは絶対にいけません。
畝上部が常に湿っている状態だと、直根は下に伸びていきません。
もちろんですが、発根剤を使用することを忘れてはいけません。

2番の分化は定植後1ヶ月間で起こりますから、定植後1ヶ月目からは液肥を十分に施してやり、イチゴの木(体)を作っていくことが基本になると思います。

簡単に書きましたが、以上のことをちゃんと出来るか出来ないかで、2番がどれだけ早く来るか決まると言っても過言ではないと思います。

今年だって、私のお客さんで1番も2番も立て続けに収穫し、今まで一番の売上げを上げた方がいらっしゃいます。
出来ている方はいるんです。

自営業の場合は主人のやる気が落ちてしまうと、売上げはそれ以上に急激に落ちていきます。
イチゴ農家さんに限らずに、農業は厳しい局面に置かれていますが、このブログが何らかの参考になれば幸いです。