5月24日の付け加え | さかたのみかん

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みかん農家として独立したので、タイトルを変えました。
家業は相変わらず、肥料屋です。

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5月24日の写真 (←リンク) は全部親株床の写真です。

先日も書いたように、こちらではイチゴは9月20日までには定植が終わります。
そして余った苗はどんなに遅くても12月までには親床に植えます。

この親苗は苗を取るためだけに存在します。もちろん冬場は「枯れたのか?」と思うくらいになりますが、全然問題ありません。
収穫のストレスを与えてないために、暖かくなってからランナーが元気に出てくるのです。

なぜわざわざそんなことをするのかというと、収穫という大きな仕事をして体力が弱っている木から出てきた苗は専用の親株から取った苗よりもどうしても貧弱です。
苗が貧弱ということは、その苗による収穫量はどうしても限界があるから、このような方法にするんです。

イチゴは生長と生殖を同時に行っていく作物です。
つまり、「実をならせる生殖」「自分の体を作る生長」を同時にするということです。
だから木に元気があればランナーはいつでも発生します。

更に、露地栽培のものなら、大体2番の収穫後には成り疲れを起こします。
この期間は花を付けずに収穫で疲れた自分の体を回復させる期間です。
この時期はランナーも出ません。言い換えれば「ランナーが出る」ということは「木に元気がある」ということです。(元気がありすぎてもいけませんけどね)

イチゴには多かれ少なかれ必ずこの期間があります。

成り疲れの対策としては
1、大量に成らせ過ぎない。
  獲れるだけ獲ろうとしたら、木に負担をかけることになりますので、木は疲れます。

2、成り疲れを起こした時には必ず発根量が減っていますから、成り疲れを起こす前から発根剤を使用します。

3、時間が経てば回復するからそれまで待つ

基本的にこれしかありません。

家庭菜園のイチゴなら「3」で良いと思います。
しかしそれ以外のことも知っておくと的確な判断ができるのではないかと思いました。

これらの植物の話は人間に置き換えるとわかりやすいですよ。
花やランナーを付けるのが「妊娠」、木が「母体」です。
つまり女性が妊娠して出産すれば、次の妊娠までには母体の体力が回復しなければなりません。
これと同じ理屈です。

以上が5月24日の記事に対する付け加えです。
何かご質問があれば気軽にお寄せくださいね。