前回の2回で配合肥料と堆肥について、簡単に触れました。
今回は葉面散布剤について触れてみようと思います。
実はうちは葉面散布剤のメーカーであり、熊本を中心に福岡・佐賀・大分や遠くは和歌山まで出荷しています。(九州は私達が直接農家さんに小売しています。)
そんなわけで、今までの話よりも実のある話が出来るんじゃないかと思っていますが、どうなるでしょうか。
葉面散布は今や当たり前のように農家さんは使用していますし、農業に関わってない人もその存在は当たり前のように知っています。
しかしうちが創業した約50年前は、「肥料を葉っぱからやってどうする!」と中々受け入れてもらえませんでした。
ここで思い浮かぶ葉面散布剤を挙げてみると、
「微量要素」、「糖」、「アミノ酸」、「酵素」等ではないでしょうか。
まず最初に微量要素について書いてみたいと思います。
微量要素に関しては人間で言うところのビタミンになります。
具体的には「鉄」「銅」「亜鉛」「モリブデン」「ホウ素」「マンガン」「カルシウム」「マグネシウム」です。
(Ca、Mgは三要素と微量要素の中間つまり中間要素とも言われます)
微量要素とは読んで字の如く作物が欲しがる量が微量ということです。
微量で良いという事ならば、そんなに必要ないのか?と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、
「リービッヒの最小律」で証明されているように、作物の生育上必ず必要なものです。
なにか1つでも不足すると生育は妨げられます。
更に三要素と一緒に散布することによって微量要素の吸収が促進されます。
(一般的な葉面散布剤は三要素と一緒に配合されています)
もちろん、堆肥や肥料により微量要素を補給することはできますが、根からの吸収はある程度の限界があります。
それ以上に吸収させる場合は葉面散布によってほぼ理想的に補給してやることができます。
一般的な農家さんは堆肥は当たり前のように使用されていますから、微量要素の葉面散布を意識して使われることを強くお勧めします。
今日、お客さんの中に「こんなに有機栽培が増えてきたのだから、微量要素も化学品じゃなくて有機物から補給したらいいんじゃないか?」という話がありました。
そこで弟に相談してみたところ、「微量要素は金属イオンということははっきりわかっているから、有機物から補給する微量要素と化学品から補給する微量要素はなんら変わらないと思う。化学品のほうがコスト的に安くできると思うよ。」ということでした。
最近の農家さんは微量要素のことは普段ほとんど頭の中にない方が多いような気がします。
実際、私のお客さんにそのことを聞いてみると「考えてない」と答えた方がほとんどでした。
そういう方達が微量要素のことを考えるときは、なんらかの欠乏障害が出た時なんですよね。
人間で言うならば、三要素は「ごはん」、微量要素は「おかず」と考えると分かりやすいかもしれませんね。
今日は全て書こうと思ったのですが、長くなりましたので糖やアミノ酸等についてはまた後日書こうと思います。
本日もお付き合いいただきありがとうございました。