私の母親は
いわゆる毒親でした。
皆さんは『毒親』と聞くと、
毎日殴ってきたり、キレまくったりするのを
想像するかもしれません。
実際には違うんです。
『子供の良心』や『親への愛情』を
巧みに利用して来るんです。
『あなただけが頼り』
『あなたのために私は犠牲になっている』
というオーラを出して、
逃げられないようにして支配します。
このような状況で育ったので、
他人の気持ちの変化に
とても敏感になりました。
家庭教師という仕事には、
特に役に立っていると思います。
『空気を読む』というと
非科学的な感じがしてしまいますが、
実際には
子供の表情(目や眉や眉間の動き、歯軋り)
手足の動き
ストレス度合い
筆圧の変化
髪をいじり出す
頭をかき始める
ため息 などを考慮しています。
それをもとに生徒に話しかけるので、
生徒からすると
『痒いところに手が届く』
感じがするのだと思います。
『自分のことを見てくれている』
『自分に興味を持ってくれている』と感じ、
信頼関係も作りやすいのだと思います。
最近は気になることがあります。
お子さんに
とても手をかけているご両親がいますが、
手をかけているだけで子供を見ていない、
子供自身は置いてけぼりで、
自分の好きな教育論を実践しているだけで
子供を想う気持ちが空回りしてます。
子供のためにとても頑張っているのに、
子供の心がどんどん離れていきます。
これは
巷に溢れる情報量が多すぎて
処理できなくなってきているのが原因で、
子供自身をあまり見ないで、
情報に振り回されてしまっているからです。
さらに、
世に出回っている情報が、
偏差値の高い学校に合格した話ばかり
というのも原因だと思います。
いわゆる『中学受験の沼』というのは、
このレベルの話ではありません。
もちろん
偏差値が高い学校に入るのも大変ですが、
本当に大変なのは
真ん中から下のレベルで、
『子供にやる気が無さすぎる』
『勉強の習慣が全くついていない』
『さんざん甘やかされてきたから
母親の言うことを聞かない』
『お母さんは教育熱心で
お父さんは中学受験に興味がない
(そのため夫婦仲も悪くなっている)』
『幼児教育からお金をかけて
そのお金を何とか回収しようと
後に引けなくなっている、
有名校でないと親が納得できない』
というご家庭なんです。
こういうご家庭の話は表に出てこないため、
ハマってしまった時にパニックになってしまい、冷静に判断できなくなってしまう
のだと思います。
偏差値の高くない学校でも
楽しく充実して過ごして、
大学受験で花開いた姿を見ると、
本当に嬉しくなります。
過去の生徒からの年賀状は、
私の毎年の楽しみです。
中学受験本番前のエネルギーになります。
『ビックサイズの洋服のモデルになりました!』と写メ付きなLINEが来ました。
『二十歳になったので、
ご飯奢ってください!』
『就職の相談をしたいので、
先生のうちに遊びに行っていいですか?』
こういった連絡をもらえると、
多忙な毎日の癒しになりますね。