家庭教師を依頼するご家庭からすると、気になる数字だと思います。ただ、教えている側からするとあまり意味のない数字だと思っています。合格率を上げるのはわりと簡単です。合格しなそうな子を断るか、志望校をどんどん下げてもらえば合格率は自然と上がります。

 私個人としては合格率にはこだわっていません。
私の方から依頼をお断りすることはまずありません。
生徒さんが行きたいと思っている学校に挑戦します。
ただ、あまりにも実力と第一志望がかけ離れている場合には、そのことを正直にお話ししてご家庭の判断に委ねます。

 ある年に三人の中学受験生がいました。そのうち二人は2月1日に一発で第一志望に合格しました。
しかし、もう一人は第一志望に落ちてしまい、第二志望に進学することになりました。
第一志望に合格した子たちは1年以上指導している子たちでした。この子たちも第一志望に楽に合格できたわけではなく、指導開始時には志望校とかなりの隔たりがありました。
 一人の子は国語の記述問題が全くできない、算数の複雑な問題は整理できないのに学習院女子を目指していました。何度もご両親には問題が向いていないので、かなり危険であることは伝えました。ただ、どうしても学習院女子が良いとのことだったので、1年以上かけて学習院女子の問題に対応できるように指導していきました。
受験直前は合格を確信できるほど成長してくれました。
 もう一人の子は最初は学習院女子が第一志望でしたが、最終的には大妻を第一志望にしました。
この生徒さんもいろいろ大変でした・・・・。
志望校の変更の経緯などについては、改めて書かせていただきます。きっと志望校選びの参考になると思います。
この生徒さんはこのブログをきっかけに指導することになった子です。
 第二志望に合格した子は11月からの指導で指導期間が3ヶ月しかなかったこと、
私は算数と理科だけを担当していたため国語と社会まで状況をつかみにくかったこと(他の二人は塾を辞めて家庭教師一本だったので、4科目を指導していました).
さらに第一志望が11月時点の偏差値から30以上離れてしまっていたことなどがあり、私の実力では合格させてあげることができませんでした。
本当に申し訳なく思っています。
11月から指導を始め、いろいろなことをもとに熟慮に熟慮を重ねました。
やはりどうやっても第一志望に合格することはかなり厳しいと思いましたので、そのことをご両親に伝えました。
二月一日の第一志望を他校に変えれば、第二志望よりも上の学校に合格できることも伝えました。
それでも第一志望の学校をどうしても受けたいとのことだったので、私も納得して腹をくくりまして、
そこからは大逆転を目指して第一志望の過去問を平成元年近くまで研究をして効率よく効果的な指導を模索しました。
結局は合格させてあげることはできませんでしたが、やれることは全てやれたと思っています。
 このようにご家庭と生徒さんの気持ちを最優先に考えますと、合格率のことなど忘れてしまいます。
本人も第二志望の合格に納得して中学受験を終えてくれたので、私もほっとしております。
なにより嬉しかったのが、
『苦手な算数で先生と一緒にやった問題がたくさん出て、時間が余った。自分が何点採れたのか知りたいから、採点したい!』
と言ってもらえたことです。
こういう言葉に本当に救われます。
家庭教師をやっていてよかったと感じる瞬間ですね!