今年は学習院女子と大妻女子志望の子たちがいます。

学習院女子志望の子はサピックスの模試で合格率が80パーセントを超えています。
普通なら余裕で合格しそうですが、実は問題を抱えています。
この子に学習院女子の過去問をやらせてみると、恐ろしいほど解けません、、、。
 まず、国語はほぼ記述問題なので、記号問題で点数を稼いでいる子にはかなりしんどいんです。
また、物語文しか出ないので、他人の気持ちが読めない子にはさらにしんどくなります。
この子も他人の気持ちが読めないうえに、気持ちを表す言葉と事実を表す言葉の区別がつかないために、
書かせてみると大変なことになります。
気持ちが読めていない子に気持ちを読ませるのはなかなか大変なことです。

結局のところ、
最初は典型的なパターン、学習院女子の過去問によく出てくる典型的なパターンの気持ちを教えて刷り込んでいきます。

 また、大妻女子の国語では必ず短歌か俳句の評論文が出ます。
模試で点数が取れている子たちでも、俳句などは手薄になっています。
そのため、大妻女子が滑り止めの子でも意外と国語で点数を稼げません。
大妻女子の合格を確実なものにするためには、
過去問に出てきた俳句の知識については、きちんと詰めておく必要があります。

 次に学習院女子の算数は計算問題が少なく(だいたい1問だけ)、
また前半に典型的なパターンの簡単な問題があまり出ません。
ほとんどの問題がよく考えないと解けないようになっています。
このため、模試で簡単な問題で点数を稼いでいる子は30点くらい、もっとひどいと10点代になってしまいます。
実際に模試で合格率80パーセントの子も、学習院女子の過去問で一度10点代を取りました、、、。

 このように、模試で点数をとれても、実際の過去問をやらせてみると大変なことになることがあります。
そのため、私はあまり模試の偏差値をあまり重視していません。
自分の記憶にあるその学校の過去問の特徴に照らし合わせながら、
授業の中でその子がその学校に出るパターンの問題ができるかどうかをチェックしています。
この作業は非常に重要だと思っています。

 実際に過去に慶応中等部に合格した子が、立教新座で補欠だったことが何度かありました。
「慶応中等部の算数は偏差値のわりには簡単(ですが、問題数は多い)です。
それに対して立教新座の算数の問題は偏差値以上に難しく、頭を使って現場で解かないとできません。
そのため、慶応中等部対策の模試で良い点が出たとしても、油断していると立教新座に落ちます」と忠告しても、
ご両親はなかなか信用してくれないことが多いです。

 問題の向き不向きは親が把握してあげないと、子供は気がつかない場合があります。
これからの時期は子供だけに任せるのではなく、
ご両親が志望校の過去問を見て、お子様がその学校の傾向に対応できているかどうかを見てあげると、
さらに合格に近づけると思います。
皆さん、頑張ってくださいね!