最近、サピのマンスリーテストがありました。
個人的には簡単だったかな?と思いましたが、
指導している子が予想以上に悪い点でした。
8割がた、デイリーサポートやデイリーサピックスの問題でした。
なぜこんな点数になってしまったのか?を考えますと、
下の方のクラスに行けばいくほど、
ほとんど授業の内容を理解していません。
家庭教師を頼むぐらいですから、当然ですよね。
頼んでくれることはありがたいのですが、
毎年指導する子たちに、同じ症状が出ていることが気になります。
それがどういう症状かといいますと、
まず、図を全く書かない。
次に、解くときに、一生懸命に式を思い出そうとする。
さらに、理由はわからないけど、なぜかかけたり、割ったりしてしまう。
図を書かないために、問題を整理できません。
整理できないので、どの問題とタイプが似ているかの判断ができません。
そのため、解き方の中で、どれを使っていいのかわかりません。
図を書かないにも関わらず、いきなり式を書き始めることができる子が結構います。
なぜ書けるのかといいますと、
「この文章っぽいの問題は、こういう式で解いていた」ということを、
完全に暗記してしまっているからです。ある意味凄いですよね。
そのため、ちょっと内容を変えられて問題を出されてしまいますと、
まったく気がつかずに見事に間違えます。本人は間違えた理由がわからず、むくれています・・・
式を完コピするのと似ていますが、
「たしかこんな感じで割っていた」などと考えて、意味もなく計算してしまいます。
このような子たちは、塾の授業の中で、
「なぜこのような式になるのか」
「なぜこのような図になるのか」
「図の中のこの部分は、何を表しているのか」
を全く理解せずに、塾から帰ってきます。
家で復習する時も、式の丸暗記です。
社会の年号を丸暗記するのと変わりません。
社会の丸暗記が得意な子たちが、特にこのような症状に陥りやすいのも、
おもしろいところですよね。
わたしはサピの授業が悪いと言っているのではありません。
サピの授業は、アルファに近づけば近づくほど、威力を発揮します。
素晴らしい授業だと思います。
ただ、
どのレベルの子にも万能なわけではありません。
下に行けば行くほど、効果が出ないとも言えます。
以前にもこのような症状が出ていた生徒さんがいました。
「塾の授業が合っていないので、できるようになるまででも、
栄光ゼミナールや日能研などで基礎固めをした方がいいのではないですか?」とお勧めしましたが、
最終的にサピでやることを決断なさっていました。
そのお母さまにとっては、これらの塾など眼中にないようでした。
これらの塾が一番良いと言っているわけではありません。
その子にとっては、ころの塾のテキストの方が基礎的なことから書いてあるので、
また、処理能力から考えても、
本科や栄冠のテキストが合っていると考えて、お勧めしました。
当然ですが、しがない家庭教師の意見よりも、
やはりサピの看板に軍配が上がりますよね。
この点は仕方ないことですが、お子様の状況を客観的に見て、
ネームバリューだけでなく、
自分の子供の勉強にとって良いのかどうかを判断してください。
塾は合格するための手段であって、
御三家に受かりやすい塾に居続けることが目的ではないはずです。
御三家に受かりやすい塾に居続ければ、自分の子供に合っていない授業でも、
御三家に合格できると考えるのもどうかな?と思います。
ガリガリの人が、いきなりボディービルダーのジムに行くようなものですね。
塾の使い分けも大事になってきますね。
受験までもう少しですが、風邪などひかずに頑張ってくださいね!!
プロ家庭教師 坂田幸司教育研究所