
パブリックコメント 「道路交通法改正試案」に対する意見
H.25年2月28日
警察庁交通局交通企画課法令係 パブリックコメント担当 御中
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〒 891-0150
鹿児島県鹿児島市 坂之上4-24-51
TEL 099-263-0011
FAX 099-263-0045
坂之上サイクルステイション 代表 中島 脩
(自転車小売業・自転車安全教育特別指導員)
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日ごろ道路環境の健全化に大変ご尽力いただき、誠にありがとうございます。今回の「道路交通法改正試案」中、自転車に関連した内容について、個人的な見解を述べます。日頃から自転車やユーザーの問題に直面しており、今後の有効な指導を懸案事項としている立場でもあり、なにかしらお役に立てれば幸いです。
■ 3 自転車利用者対策
(1) 自転車の危険な運転を防止するための講習に関する規定の整備
について
(警察庁ホームページより一部抜粋)↓
3 自転車利用者対策
(1) 自転車の危険な運転を防止するための講習に関する規定の整備
公安委員会は、交通に危険を及ぼす一定の行為(信号無視、しゃ断踏切立入等)
を反復して行った自転車の運転者に対し、その者による危険な運転を防止するため
必要があると認めるときは、公安委員会の行う自転車の危険な運転を防止するため
の講習を受けるべきことを命ずることができることとします。
【参考】
* 自転車が関係する交通事故は、全交通事故の約2割を占めており、交通事故全体の件
数が減少傾向にある中で、その占める割合は増加傾向にあります。特に、自転車対歩行
者の交通事故は10年間で約1.5倍に増加しており、そのほとんどが自転車が第一当事者(交
通事故における過失が重い者)となっている事故であることから、歩行者にとって、自
転車の脅威が大きなものとなっていると言えます。
また、自転車の運転者のルール違反を指摘する声も後を絶たず、交通に危険を生じさ
せている自転車の運転者に対する交通事故抑止対策を講じる必要があります。
そこで、例えば信号無視やしゃ断踏切立入等の交通に危険を及ぼす行為を繰り返し行
った者に対して、上記の講習の受講を命じることができることとします。
* 上記の講習の受講命令違反について、罰則を設けることを検討しています。
(抜粋終了)
※ 一定の行為(信号無視、しゃ断踏切立入等)に加え、悪質性が高いと一般的にも、また、行為者自身にも認知されているのが「大人の二人乗り」である。特に若者に多い違反でもあり、注意されて違反行為をやめるケースがほとんどなので、青少年の健全育成のためにも、二人乗りは許さないという抑止のアピールが必要なのではないか。
※ 「交通に危険を及ぼす一定の行為(信号無視、・・・等)を反復して行った自転車の運転者に対し・・・講習を・・命ずる。」、に対して、その他の危険行為をあげれば「無灯火、傘さし運転、携帯操作片手運転、飲酒運転、歩行者妨害」等々となるわけであるが、単一の違反を、注意したにもかかわらず複数回繰り返すのは至極悪質であるが、本当に危険で、即事故につながりかねない極めて悪質な行為が、実際に見られる以下のような「複合的な違反」なのではないか。
例
・「夜間、右側を無灯火で逆走する」
→ 車と、または自転車同士で正面衝突する危険が極めて大きい。
・「夜間、無灯火で傘差し運転をする」
→ 降雨時の視界が大変悪い中、雨中で制動能力の落ちた自転車を片手運転する悪質な行為
・「二人乗りで、運転者が携帯電話を操作する」
→ バランスが取れないだけでなく、とっさのときに人員オーバーの自転車を片側の制動だけで止めることはできない。
・「右側を逆走して信号無視をする」
→ 右方からの車両を意識している歩行者には逆走する自転車は死角になり、大変危険。実際に、青信号で横断を始めた歩行者に脳挫傷を負わせる重過失障害事故が起こったりしている。
このような複合的な違反の組み合わせは様々で、たとえば「二人乗り無灯火で右側逆走の信号無視」のように大変悪質なケースが多く、危険性の認知度の低さやモラル意識の低さの度合いも大きい事、また、重大事故につながる危険性の高さから見ても、一度の違反(複合)行為で講習を命じてもよいのではないか。今回の試案にある「行為の反復性」に、「行為の複合(重複)性」や「危険度合い」を加え、取り締まり現場の警察官の裁量に含みを持たせた文にしてはどうか。
例
「・・・、交通に危険を及ぼす一定の行為を重複、または反復して行う等、悪質な自転車の運転者に対し・・・」
※ 「講習の受講命令」の発令にあたって、一定の免責(減免)措置を設け、同時に、自転車ユーザーがルール徹底やマナー向上に積極的に取り組むように誘導できないか。
例
・ 違反者向けの講習ではなく、一般向けの自転車講習会を行い、受講修了書なり自転車免許なりを発行する。軽微な違反者が受講証等の提示をした場合、同カード等に日付のチェックを入れるなどして、初回の違反回数が免責となる。(1年間有効)
《成人一般者が自転車安全講習を受けるにあたっての動機付けにする》
・ 自転車乗車時にヘルメットをかぶることは、事故防止に有効であるだけでなく、ルールやマナーに対する意識の高さも表れることから、ヘルメット装着者は初回の違反回数が免責となる。
《ヘルメットを装着させるための動機付け》
※ 「一定の行為を反復して行った・・・」の中に、たとえば夜間の無灯火や傘さし運転を注意された運転者が、降りて押して帰らず、再び違反行為を継続して乗車して行くなどの悪質性を見せた場合も含めてよいのではないか。
(2) 自転車の制動装置に係る検査及び応急措置命令等の規定の整備
について。
※ 賛成です。
(警察庁ホームページより当該部分を抜粋)
(2) 自転車の制動装置に係る検査及び応急措置命令等の規定の整備
警察官は、道路交通法第63条の9第1項の内閣府令で定める基準に適合する制動
装置を備えていないため交通の危険を生じさせるおそれがある自転車と認められる
ものが運転されているときは、当該自転車を停止させ、及び当該自転車の制動装置
について検査をすることができることとします。
また、この場合において、警察官は、当該自転車の運転者に対し、道路における
危険を防止し、その他交通の安全を図るため必要な応急の措置をとることを命じ、
また、応急の措置によっては必要な整備をすることができないと認められる自転車
については、当該自転車の運転を継続してはならない旨を命ずることができること
とします。
【参考】
* 上記の道路交通法第63条の9第1項の内閣府令で定める基準とは、道路交通法施行規
則第9条の3に定められている基準のことです。
○ 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)
(自転車の制動装置等)
第六十三条の九自転車の運転者は、内閣府令で定める基準に適合する制動装置を備
えていないため交通の危険を生じさせるおそれがある自転車を運転してはならない。
2 (略)
(罰則(略))
○ 道路交通法施行規則(昭和三十五年総理府令第六十号)
(制動装置)
第九条の三法第六十三条の九第一項の内閣府令で定める基準は、次の各号に掲げる
とおりとする。
一前車輪及び後車輪を制動すること。
二乾燥した平たんな舗装路面において、制動初速度が十キロメートル毎時のとき、
制動装置の操作を開始した場所から三メートル以内の距離で円滑に自転車を停止
させる性能を有すること。
* 上記の命令への違反について、罰則を設けることを検討しています。
(抜粋終了)
(3) 自転車の通行方法に関する規定整備
軽車両の路側帯通行を、道路の左側部分に設けられた路側帯に限る
について
※ 賛成です。
(警察庁ホームページより当該部分を抜粋)
(3) 自転車の通行方法に関する規定整備
軽車両の路側帯通行を、道路の左側部分に設けられた路側帯に限ることとします。
【参考】
* 自転車を含む軽車両については、道路交通法第17条の2により路側帯を通行すること
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ができますが、路側帯における通行方法については車道における通行方法のように道路
の左側端を通行することとされていないことから、現状、路側帯においては双方向の通
行ができることとなっています。
しかしながら、路側帯における双方向の通行には、路側帯における自転車同士の正面
衝突・すれ違い時の接触事故等を引き起こす危険性があります。
そこで、軽車両は、道路の左側部分に設けられた路側帯に限り通行できることとします。
(抜粋終了)
※ ただし、買い物や短距離移動が中心の低速走行利用者は、自らを「歩行者然」とした立場で自転車を利用していることに留意いただきたい。つまり、左側走行では、後方から来る車は死角になり、速度差のある車に追い越されることに恐怖を感じるわけで、右側を車と対面して走ったほうが安心という発想になる。
また、自転車の事故発生場所が交差点に多い事は当然として、死亡、または重傷事故になるケースに「追突事故」が多く見られるという事実もあり、車と速度差のある自転車が左側走行するときの危険な一面をあらわしている。あくまでも左側通行を否定するものではないが、自転車の走行特性に配慮した法整備や、車両全般への指導を望みたい。
※ (上記に関連して)右側バックミラーの推奨を。
自転車の後方視界の確保のために、製造業界に対して「バックミラーの装着」を推奨してはどうか。右後方用のバックミラーを装着することで、運転者に「左側通行の意識付け」をすることも望める。
※ (同)昼間も含め、前後ライト点灯・点滅の推奨を(夜間の前照灯は点灯)。
被視認性の悪いミニバイクにおいて、昼間点灯で事故防止に一定の効果をあげていることに習い、自転車にも昼間の前後ライト点灯(点滅)を推奨してはどうか。LEDライトの普及もあり、点滅で100時間以上使用できるなど、ランニングコストも低くなっている。同時に、夜間に車道ならびに路側帯を走行する自転車に対しては、尾燈(自光式)の点滅・点灯を義務付ける法整備を望みたい。
※ 講習に関連し、自転車の「安全で正しい乗り方」というものを確定して一般に普及させるためにも、理想的な走行方法の検討をすすめ、実際の走行方法が道路交通法第53条(合図)、第54条(警音器)等と法的に整合性が取れるよう整備をしてほしい。
現在、子供向けの自転車競技大会等で「片手運転の技量」を競うケースが見受けられるが、同時に見直すべきであろう。むしろ、「連続しての片手運転の禁止」をうたうことで、日本の自転車事情における特徴的なルール違反である「荷物もち運転」、「傘さし運転」、「携帯電話」、「メール」、「犬の散歩」が一斉に規制できる。
自転車業界内で最近気づいたことだが、製造する自転車の制動能力をあえて高めないふしがある(特に後輪側)。つまり、片手運転でスピードコントロールがしやすい設定という意味である。車体の重い電動自転車などでは明らかにブレーキ容量不足であり、衝突回避能力が足りない状態が当たり前という、残念な状況である。
以上