【褐色細胞腫】 診断くだる
褐色細胞腫と診断がつくまでにはとても時間がかかります。
外見上は特に特異的な症状はなく、代表的な症状と言われている高血圧や糖尿病も簡単に目に見えるものではありません。
例えば、高血圧は常時高値を示すタイプもあれば、発作的に上昇するタイプがあります。私は後者でした。
健康診断では血圧測定や血液検査の血糖値測定はありましたが、すべて正常範囲内でした。
超音波(エコー)検査をしていなければ、もっともっと診断と治療に時間がかかったと思います。(検診項目にエコー検査が含まれていたことが幸いでした)
今回、私が確定診断に至るまで行った検査をお伝えしたいと思います。
2017年6月某日、検診のエコー検査で右副腎に約3.5cmの腫瘍を指摘されました。
その後、内分泌内科を受診して、血液検査、尿検査、CT、MRI、核医学検査(シンチ)を行い、確定診断がつきました。
まさかの副腎褐色細胞腫
まず病院を受診する場合には「内分泌内科」専門医がお勧めです。
内分泌内科とは、副腎や甲状腺、副甲状腺といった内分泌(ホルモン)疾患を専門とする内科です。一般内科とは異なりこの分野に特化した専門医ですので、検査オーダーなどを的確に素早くしてくれます。(最終的な外科治療は泌尿器科の担当ですが、確定診断がつくまでは内分泌内科がメインとなります。)
診断に有用な検査は超音波(エコー)検査です。
副腎腫瘍はエコーで描出されます。(ちなみに正常の副腎はほとんど映りません)
ただし、褐色細胞腫であるかどうかは判定できません。
副腎腫瘍には、クッシング症候群や原発性アルドステロン症、無症候性腫瘍といった腫瘍がありますが、これらを鑑別することはできません。
CTとMRIは診断にとても有用です。
腫瘍の大きさ、形状、周囲組織への転移の有無、などがわかります。
私は右副腎に約3.7cmの腫瘍を認め、周囲への波及は認めませんでした。
エコーよりも詳細な情報が得られますが、やはり確定診断はできません。
核医学検査(MIBGシンチ)は褐色細胞腫の確定診断に有用です。
褐色細胞腫に特異的に取り込まれる放射性物質を注射して、副腎に取込みがあるかを見ることができます。
私の場合、検査前日に静脈注射をして、翌日に撮影を行いました。
右副腎に集積像を認め、その他(肺や肝臓、骨など)の異常所見は認めませんでした。
血液検査も必須検査です。
採血前に10分間ベッドで安静にしてから採血をします。カテコラミンは興奮したり運動したりすると分泌されるので、正確な診断をするためには安静時採血が必要です。
私の場合、血糖値やHbA1c(糖尿病で高値)は異常なし。(褐色細胞腫では糖尿病が高頻度に見られます)
ノルアドレナリン:1767 pg/ml (健常参考値100-450)
恐れていた結果に愕然。
ここから、外科治療に向けての準備がスタートしました。