バレエで一番難しいのは何か

 歩く

 これに尽きる


 勿論ピルエットが上手く回れない、バランスがキープ出来ない、脚が上がらない等などあるけれど、それは練習回数で上達したり、骨格上制限だったり、バレエ年数上がればある程度出来たり。

 でもね、ふとした時に歩く歩き方、これはねぇ、なかなか身につかない。コンクールレベルのジュニアでも、ではけでアレ?って事がある。それ位難しい


 同じようにスケートも、ターンだの、ジャンプだの、スピンだの、これは経験値、回数やればある程度上手くなる。

 でも、スケート靴が氷から離れた瞬間の爪先、戻してきた足、それはよほど意識して練習して体に染み込ませないと、美しくならないのだ。選手レベルでもただ滑るのが雑な人結構いる


 フリーレッグは伸ばすかつける。


 K先生が教室の度に言う言葉

 これ、私の中ではおまじないの言葉。

 鈍いからちっともスケートが先に進まない。クラスの皆んなターンが上手かったり、クロスが楽勝だったり、ランジが出来たり、なのに私はずーっと同じところをウロウロ。そんな時に先生に私才能ないのかなあ?向かないのかなあ?って聞いたら、誰にも得意不得意がある、アナタのこれなら出来る、これなら得意を見つければいい、その1つが丁寧なスケーティングだと思うよ。爪先伸ばすが出来たらカッコイイよね?一番難しいけど。って答えてくれた。

 先生に、私爪先伸ばすを目指します。って答えたら、にっこり頑張って下さい!って

 以来、出来るだけ拘っているけど、やる事に追われると意識抜ける。


 なんでもない部分に意識を向け続ける。そしてそれが自分のスタンダードになるまでやる。って途方もなく地味に時間のかかる練習で、たいてい嫌になる。


 一、二回の書道練習でお前なら辞めないと思った。って師匠に見抜かれてめちゃ基礎をしごかれた私。


 地味練習なら、誰にも負けないのかもね? 

ってか、バレエのドS先生も、スケートのコーチも、コイツは多少ダメ出し続けても辞めないってわかって言ってるよね?

 

 そんなとこ、期待されちゃ、なかなか出来ないからつまんないって理由で辞められないやん。

 でもさ、厳しい先生が一番よく見てわかってくれてる

 だから、本当に悩んでる時には優しいの。

 昨夜もコーチのメールに泣いたよ。有り難くてね。


 私は難しい事は出来ない

 私にはセンスや才能はない

 だからね、なんでもない部分を丁寧に丁寧に、繰り返し身につくまで頑張るしかない。

 めちゃくちゃ地味な事にこだわるバカなやつ。

 そんな風に笑われるかもしれないけどいいのさ。わかってくれてる人がいるって更にこれでいいんだ!って自信になるね。


 ユヅ君みたいに、あらゆる所作に基礎が染み付いた人、これこそ真の技術を持つ人なんだよ。

 

 憧れだな