忍び寄る死神の足音が立ち止まり、大鎌の振り下ろされる音が聞こえた。
そして、私の首は飛んだ。
・・確実に飛んだ・・・筈だった。


瞳を開くと、安らぎを覚える液体の上に、自分が対座していた。

「もう」
 もう
「恐怖など」
 恐怖など
「ない」
 ない

対座している自分とそれを見ている自分が、迷いのない言葉を発する。
このまま液体の中に溶け込んでいけば、自分と宇宙が一体である事を実感できるだろう。
そしてそれは、とても素晴らしい事に思えた。

私の体は、ゆっくりと液体の中に溶け出し、融合していった。