…酔ってしまったな
また
原因は多分…だけど大野さんの香りと声
…はぁ
目を開けると
…見慣れない天井に
窓から見える景色
眩しい空
…
眩しい…
まだ
なんだか大野さんの香りがするな…
ん…
ん?
床で寝る大野さん…
えっえっえっえー
もしかして
もしかして
ここは
大野さんの部屋?
戦闘機の模型?自分で組み立ててるのか…
それと
油絵?
イルカがジャンプするように
ブルーインパルスが…
なんだろう
独特の世界がある
部屋の中も
シンプルでも
趣味がしっかりある事がわかる
…本がまた凄いな…
各国の航空学の本か…
英語はもちろん
イタリア語…中国語…ドイツ語…
更に
その本達には
勉強の跡が残っている
航空工学だけじゃないのか…
戦闘機のパイロットは
しかし
床に腕を組んで
静かに寝てるけど…
どうすれば良いんだ?
起こさないように
静かに
…起きようと思うと…私は不器用で
こんな時に
やらかすんだよな…
ゴロゴロ チン…やっべ やっべ
目覚まし時計…まて…
「ん?櫻井さん?
大丈夫?
水飲むか」
目覚めも爽やかな空自の花形
ブルーのパイロットだけあるよな…
それより
この着てるのは大野さんの…
Tシャツ…
俺のスーツがピシッと
ズレ無く掛けてある
「おはようございます…あの
すみません
私
また迷惑をかけてしまったみたいで」
大野さんは
手をヒラヒラ
「迷惑なんてかけてませんよ…
美味しいお酒でした
納豆大丈夫ですか?」
「大丈夫ですが…」
「なら 良かったです」
起きて直ぐ
手際良く
朝ごはんを作っている
卵焼きと…味噌汁
納豆
冷凍庫から丁寧に包まれたご飯を
レンジに入れている
「冷凍してあるんですね…」
「櫻井さんは
毎日炊くんですか?
自分は面倒くさがりなんで
一回に大量に炊いて
冷凍しちゃうんですよ ふふふ」
「ああ…いや
米を研いだ事も…炊いた事も…
恥ずかしいんですが
ないんですよ…あははは」
返事に
少し間があった…呆れられたか?
…ご飯の準備をしていて
顔が見えない…
「やっぱり
作ってくれる
彼女さんがいるんですか?」
…そうか
そうなるよな…健康な男子
彼女がいても不思議じゃないもんな
…顔を見て話したい…
「…あははは
違います。
栄養ドリンクに栄養バー
色々あるじゃないですか」
…大野さんは…今
どんな顔をしているのか…背中…ではわからない
働く私の理解者で協力者の父が倒れ
始めは頸動脈の血栓なら
発見も早かったので
今の医療で直ぐに元気になると考えてました。
高齢の父の身体は思っていたより弱っていて
黄色ブドウ球菌に負けて血管が
次から次と壊されていく事態に…
連日の手術
どこまでぶどう球菌と追いかけっこするのか…
どんなに丈夫な身体でも
高齢の身体は難しいですね…
父が大好きな娘が積極的に面会に行ってくれたり
要介護の母が頑張って洗濯してくれたり
旦那がご飯を作ってくれたり
…支えて貰ってます。
それでも
父が大事に手入れしていた畑が
どんどん雑草に埋もれて行くのがとても寂しいですね…
心がゆっくり出来ず…
話しがどこまで描けるかわからないですが
やっぱり
妄想する時間は大事なエイジング
ワクワクします☺️
ゆっくりですが
よろしくお願いします。