こんばんは
お疲れ様でした♪
嵐ジオが楽しみです
「ショウくん♪
ひなちゃんが
みんなと仲良しですよ」
夏の終わり
夕方には冷たい風が吹く
トンボが飛び
水鳥達も南の風を
追いかける準備に入る
カモの親子は近くの川まで家族と飛び
夜には安全な泉に戻る
泉の中の白鳥達も
子育てを終え始めている
少し小さいひなちゃん達も自ら餌を探す
たまにトンボを加えて
ひなちゃんが
私の元に戻ってくるが…
サトシくんが
「ひなちゃんも暖かい風を
仲間達と追うんですからね」
話しをする
「クア」
ひなちゃんもわかっているよう
羽を広げて見せてくる
立派に大きくなった
すでに腰あたりまである身体
ひなちゃんは
みんなと翼を広げ
羽に空気を含ませ
長距離を飛ぶ準備をしているようだ
もうすぐ飛びたつ
高い高い空に高い声を上げている
サトシくんはひなちゃんが
飛び立てば
神さまからの愛の宿題が終わると
思っている
…
でもそれは…違う
私の力が制御できるようになるには
その愛とは違う
ひなちゃんは可愛い
出来ればここで冬を越せないか?なんて
考えることもある
…でも
私だけ雪を降らしたり凍り付かせるのは
サトシくんの事が原因で
そして
サトシくんで収まる
私は幼い雪ん子の
…多分そう言う事だ…
「サトシくん…あのさ…あのさ」
「ショウくん
無事育ってますね
ひなちゃん
ふふ 夜に家の中に
雪が積もらないようになりますね」
「…あの
多分なんですが
ひなちゃんが飛び立っても…
あのですね
ひなちゃんは可愛いですよ
でも 違うような気がするんです」
サトシくんが
ポケットの中からキョトンと
私を見ている
困ったな…
その青い瞳…揺らすの弱いんですよ
…手が凍りつくほど
「あのですね…あの
ひなちゃんが
こうやってプレゼントをくれても
雪は降らないし
ひなちゃんが
仲間と上手くいかない時も
凍りついたりしないんですよ
サトシくん
…ひなちゃんへのような
愛は多分知ってます
世界を凍りつかせる前から…」
青い瞳に泉が出来る
…
やっぱりですよね…
「なんですか…それ」
…やばい
ポケットの底に入っていっちゃったよ
でも
ひなちゃんとの別れで知るより
良い…
ひなちゃんが居なくなって
寂しがるのは
私とあなたですからね…
寂しいのは必ず一緒に
超えられるけど
寂しいのと
無力感の
ダブルショックはサトシくんが辛いですよね…
あ…ぁ
ポケットの底でうずくまっているよ
一生懸命
泳ぐ飛ぶ餌…練習を考えて…羽まで作って…
でもね
サトシくん
大丈夫ですよ…ほら
私の事真剣に考えて
ポケットのサトシくんの温もりを
感じるだけで
サトシくんの涙を見ただけで
凍りついてきた
指先が溶けてくるんですよ