ショウ先生の高熱時の対処と
サトシの力なのか
何度か汗を拭き
下着やパジャマを着替えさせたけど
ほとんど寝ていた
寝顔は優しく柔らかい
…
素敵な夢を見ているんだろうな…
安心出来た
朝方になって
ようやく
智くんの熱が下がり始めた
カセットコンロで茹でた
玉ねぎスープも…
トロトロに
良い感じに茹っている
炊飯器のお粥も
うまそうに出来上がった
カーテンを開けると
外は朝陽が出る前に向かい
気温を下げてる
…
窓の露が流れる
その露に街頭がキラキラと光る
智くんの顔色も
良くなった
それでも
体温計は38.6
まだまだだな…
「ふふっ 翔くん
良い匂いがするな…」
「智くん?」
「今…何時かな
はぁ」
「4:00ですよ…汗拭いて着替えましょうか」
智くんはトイレらしく
ふらふら立ち上がった…
支えて連れていくと
「翔くん
はぁ…サトシがさ現れた?」
「嫌な夢を見ないよう
お願いしてみました」
「ふふふっ
それでかな…あの森で
温泉に入っている夢見てたよ
…綺麗な景色でさ
…心地良かったよ…
はぁ 喉も楽になった」
「良かったです」
ベッドに戻って
着替えてカセットコンロを見ていた
「玉ねぎスープか…」
「サトシのお土産のバターを
沢山使いました」
「美味そう…
よし…朝ごはんにするか」
窓の外が真っ暗から
青に変わる
どうやら
身体は楽になったのか
ベッドに座って
ご飯を食べられそうだ
…
お粥と梅干し
玉ねぎスープの朝ごはん
「はぁ 美味いな」
智くんと
朝焼けを感じながら
朝ごはんを食べる
「翔くん…
寝てないじゃないか?」
「寝てますよ…
会社には私が連絡しますから
今日はゆっくり
休んでくださいね」
「ありがとう
これ
玉ねぎスープトロトロだな
手間がかかっているな
翔くんの愛情いっぱいで
美味しいんだな」
熱が上がってから
なんだか
沢山のご褒美をいただいている
…
お熱は下がって欲しいけど
たまに
熱を出してくれても
いいかもしれない
いや
熱が無ければ
全身にキスして抱きしめて
2人で
幸せになれる
…
でもさ
少し紅くなった表情
トロンとした目
紅唇…
熱い息
…この智くんを包んでいたい