サトシは神のようだ
私達の身体を簡単に小さくして
呑気に火の中の女性と
話している…
木とも話し
怒りは青い小さな稲妻を出す
直接私達は当たってはいないけど
床を通して
ビリビリするぐらい
ショウ先生はさっき同性カップルの悩みに
とても
親切に教えてくれた
そして
冊子まで作ってあるとか
この家の中は
表から見るより広く
何より天井が空だったのは驚いた
青空に
雲が流れている
沢山の魔法と言うか
サトシの力が
この家を支えているようだ
「冬支度だから
沢山、色々あって散らかってます」
囲炉裏の上には魚が下げられ
燻している
天井裏には
漬物用の大根が干され
蚕さんの寝床まで
居間の隅には
糸巻き機や
織り機があり布まで作るらしく
サトシの服装は独特な刺繍がある
翔先生も小さくなって
同じような長半纏を羽織っている
靴は鮭の皮だとか
模様だと思っていた柄はウロコだった
良くキツネやネズミに食べられるらしい
小さな窓は神の出入り口だからと
神への祭壇がある
「このカップもサトシが」
「はい
簡単です」
「あの天井から下がってる飾りは？」
「お魚の鱗です」
智くんはこの家のサトシが作った物に
興味があるらしく
さっきからウロウロしている
冷蔵庫だと言う部屋には
雪がある
確かに寒い
そして
大量の漬物や根菜
一冬越すにはもう少し蓄えが必要らしい
「今年は鹿を狩ます」
…なんとも勇ましい
可愛いから勇ましいから
無邪気から神に
…
ショウ先生と言う人は大変だ…
智くんも
いつもはふわふわの優しい空気で
笑っているけど
仕事の時は真剣
ダンスはとてもスマートで
歌声は透き通る
酔うとふにゃふにゃ
ホワホワからキリッまで
ギャップ大王だけど
サトシは
ギャップの神かな？
弓をかまえて
部屋の中を鹿を狩る姿を見せる
凄い気迫
「笹に隠れて
目の間を狙う
この頃は鹿が沢山いるから安心です
今年は熊もいました」
熊、鹿肉は干して保存
毛皮は絨毯、皮は刃物磨きや肌磨き
骨も煮て出汁
周りの肉はとても美味しいらしい
鍋や汁物、お茶漬けに変わる
熊の爪、鹿の角は
サトシが彫って
綺麗な飾りに変わるらしい
…
全てをサトシが
この恵全てに感謝しながら
生きる力に変えるらしい
何ごとも自然のまま
サトシは
「ふふっ
2人はちゃんと一つにならなきゃ
ダメですよ」
…セックスも自然の流れと
受け止めているのか
とてもオープンに聞いてくる
智くんはタジタジだけど
ニコニコとサトシの言う事を聞いているから
私もとりあえず頷く
2人でサトシとの出会いを
笑いながら話して
ゆっくり
…前に一歩進めそうだ…
しかし
この冊子…が凄い…
解剖学から始まっていて
英語の名称が…
見ると眠くなる
…私、頑張れ