妄想です。




自己満足のBLです。

妄想ですから…



店を閉めて
窓際の智がいつも座る場所に
座っていた


雪がつもり
枯れ木
枯れ枝
枯れ葉
茶色と白しかない庭が見えている
この席で
智は
何に捕われているのだろう…

時に厳しく
時に優しく
時に悲しげ庭を見ていた…

来た日から
彼はここに必ず座っている…

翔は智が
何か隠している気がしていた…

レンギョウの時のように
この庭に
何をするのか?


ぷーぷー


インターフォンの音
画面に智の笑顔が
咲いていた…

今日は何
驚かせてくれる?

あなたは
私の何を知ったんだろう…


「こんばんは。
智くん

どうぞ」

「こんばんは…」

静かに入ってきた
ジャケットの胸の中に
何か
大事に抱いていた


「はぁ はぁ
鯛焼き食べる?

燻炭をもらいに行ったら

鯛焼き屋さんをね
見つけたんだ

はぁ…
一緒に食べたくて
冷めないように
急いで持ってきたんだ…」

子猫でも抱えているかのような
可愛い姿に
翔は
甘い顔になる


「コーヒー淹れますね」


「餡子とクリーム
はぁ…
選べなくて

買ってきてしまった…
甘いもの…
大丈夫かな…はぁ」

「大丈夫です。
智くんと食べるなら

砂糖のかたまりでも食べます」

智の恥ずかがりながら
紅潮した顔で喜ぶ姿は

翔のツボになっていた

いつもの席に座ろうとするのを
引き寄せ

触れるだけのキスをして

「私の部屋で
ゆっくりしましょうか」

「えっ…ああ
ありがとう…

お邪魔していいの?」


「もちろん…
素敵な絵も
素敵な空間も
ありませんけど…

初めて
私以外の人を招きます。
あっ…違う

住職が
月一でお参りに来てたか」

智が
いきなりくったくなく
腹を抱えて
笑った

翔はますます
智にドキドキする…