妄想です。


自己満足のBLです。
妄想ですから…

智は
翔と電話した後
ホテルの地下のバーで
留学時代の友人に会った

「大ちゃん…
なんで
臨床にこだわるんだ。

研究畑にそろそろこないか?
大ちゃんの探究心があれば…
世界的な研究が出来るだろう。

たくさんの
未来を救えるぞ


うちのボスも
大ちゃんの論文読んで
一目置いてるんだけどな…」


「俺は人の中にやっぱり
居たいし…な…

サルコーマの患者は
孤独を抱えた患者や家族がたくさんいる

事例の少なさ
理解の乏しさ…

ほっとけないな…」


水割りの氷を、もて遊びながら
静かに答える


「大ちゃん
gender(性)の事も

研究者ならスムーズだろうけど
臨床だと
患者がいる限りなかなか難しいんじゃないか?」


「俺は
理解されない辛さも
仲間がいない辛さも

知った事が
強みだと今は思っている

中身は違うけど
サルコーマの患者の不安を知って
離れる事はできないよ…


それに…


多分
今年中にopenにすると思う…
どういう形をとるかはわからないけど…

前を向いて歩きたいんだ
下を見る事に飽きた
前を見て
生きたいと思ったんだ」

友人は驚く

「えっ…カミングアウトするのか…」

「多分そうなる…」

「パートナーシップでも?」

「どうなるかわからないけど…
今住んでいる地域だと
パートナーシップは無理だから

病院のLGBT対応を…
LGBT対応の意味すら知る人がいない…
知ってもらう為にも
申請しようと思う。

俺も
そろそろ
自分から動いていいかなって
思ったんだ」

「まぁ…大ちゃんが
LGBTだろうが

医師としても、人としても
手を抜いた事はないんだしな

いいと思うけど
って事は

ん?新しいパートナー?いるとか」

「新しいは余計だ。
ちゃんと…前を向いて歩かせたい
と思える

パートナーに出会えたって事かな」


「そっか…

うすうす
大ちゃんはLGBTじゃないかって
気づいてた人もいるみたいだし…
いいかもな


俺は何処でもバレバレだけどな…

臨床医は難しいよな

そうか
って
相手は

どんな奴?」


「おまえも
見た事があるかもな…

H大の骨軟部腫瘍科の医師」

H大の医師って
原教授のところのか?
大丈夫か…ん…あいつか


間違えてたら失礼…
そいつ…確か結婚してたよな…」

智は驚く
サルコーマ学会員の人数は
多くはないけど
翔はまだ目立つ立ち位置にはいない


「なんで?わかる」

「いや…ほら
俺、見たんだよ…
大ちゃんが
症例報告した時の彼の
食いつき方が

こっちだと
思ったんだけど…

結婚指輪してたから違うか…って
マークを外したんだけど

やっぱり
そうだったか!いい男だったよな
くそっ!
右だったのかー
先に声かけてたら
おまえより先に素直なgender を
教えてやれたのに.

今頃、那覇にでも移住話し
大ちゃんに
出来てたのかもしれないよ…

羨ましすぎだ…

大ちゃんが若返るわけだ
いいね…あの子は!うんうん」


声…でかい…
おまえ、狙うなよ!

洒落にならないぞ」

「安心しろ、人の者には興味ないよ…
くそっ、先に見つけてたのに」

「おまえ
世田谷に一緒に移住するって言ってた…
なんだっけ

あの
可愛いコアラちゃんだ
どおした?」


「逃げられた…
治験結果研究に夢中になってたら
前のおまえと一緒
マンションに帰ったら
コアラちゃんも
貯金も金目の物全て無くなってた。
置き手紙すら無かったよ」

「俺より
ひでーじゃん」

「同じような
もんだろう…」

「そうだ、大ちゃん
研究なら移住も出来るぞ
パートナーシップ申請出来るぞ」

「いや、大野医院もあるしな」

「あの、赤字病院…いるか?」

「いるんだよ
俺には…あそこが…」

「相変わらずだな…」

智の頭の中で
前向きな
翔との未来を考え始めていた…








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