妄想です。



自己満足のBLです。
妄想ですから…

センターから
帰る前に
もう一度
看護師達に

「明日までは
抗生剤の効果がわからないので

対処療法※1だけ
徹底してくだい。
協力お願いします」


翔は看護師に深々と頭を下げて
帰る…

車に乗ってから
智の残り香を吸い込み
自分を落ち着かせた

「一人じゃないんだ…」

運転しながら
前なら
看護師に頭を下げるなんてなかった
患者の為に
自分の出来る事…
この病気を治療していく上で
何が必要なのか
翔は見えてきた気がする…

智は
常に患者目線の厳しい医師だけど

看護師の信頼の厚さは
今日は伝わってきた

必要な時には
笑顔はないが
頭を下げて協力をお願いする
智の姿勢のせいだろう

信用してるからこその
スタッフへの怒り

信用してるからこそ
距離を持つ

信用してるからこそ
頭を下げる


智の姿勢はシンプルな事だけど
相手のライセンスへの配慮

看護師や理学療法士は部下ではない

医療チームの一員

上下関係はないんだ

わかっていても
治療をしていく上で
医師は勘違いすることが多くなる…

そして
この病気の治療には

患者と医師の信頼が出来ていなければ

長期治療は…
継続できない。


智が厳しいのではなく
ライセンスへの敬意をもっての
相手への配慮なんだと
確信していた…


家について

智と同様に
お内仏に手を合わせ

居間にはいる
智のいない家…

自分は何をしたらいいのか

ソファーに座ったまま

天井を見つめていた





※1対処療法

熱には解熱剤
痛みに鎮痛剤
吐き気に吐き気止め
など

根本的な治療にはならないが
出てくる症状に合わせた対応をすること。