妄想です。





自己満足です。
さらにBLです。




広い心で見てね…すみません。



僕は翔くんのピアノが
好き…

綺麗な海が見える
波の音が聞こえる
潮の香りがする
潮風が身体をくすぐる

絵を描いているかのような
気持ちになる…

音楽の授業
今日は合唱

翔くんが
伴奏してくれるからかな
声がよく出る…

みんなが
おいらを見てきたから
恥ずかしくて
歌うのを辞めちゃった…

声…大きかったのかなぁ…


授業が終わって

声楽科の女子に
合唱部に進められて困っていたら
潤くんが

「智は風山賞の絵を
仕上げなきゃいけないから
部活してる暇はないんじゃない」

「そうなんだよね…ごめんね
誘ってくれて…ありがとう」



潤くんに
手を引かれた
教室に戻った

「智…歌が上手いんですね」

「大ちゃん
声が綺麗なんだ」

「智
せっかく綺麗な声に感動してたのに
途中で歌わなくなったろう
どうした…」

三人に褒められた

「そう?ピアノのおかげかな…
気持ち良くて…歌ってたんだけど
みんなが見ていたから
恥ずかしくて…」

その後も女子が褒めてくれるんだけど

恥ずい…

席に座って
下向いてた

翔くんが
心配そうな顔で
覗き込んできて

「伴奏が合わなかった?
智くんの声が綺麗で
気持ち良くて…

演奏が走っちゃったかな…」

おいらは慌てて
首を振る

「翔くんのピアノが気持ち良かったから
声が大きくなっちゃったんだ…

みんなが見るから…
恥ずかしくて…
…気をつかわせて…
ごめんね」

と小さい声で話すと
嬉しそうに

「良かった!気持ちよかったのかー♪」

明るい笑顔に

智はドキドキした…

ニノがおいらの顔を見て

「智…大丈夫?
耳まで真っ赤だよ…」

おでこに手を当て

「熱ではないようですね…
次は専攻科の授業ですよ
美術室に課題のものを持って行かなきゃ」


潤くんが来て
「デザインの先生
時間にうるさいらしいから
早く行こう」
課題の入ったバッグを持ってくれた

二人に手を引かれ
美術室に行く

熱もないのに
おいら…ふわふわしていた
なんだろう…


デッサンの授業
アポロンの石膏像のデッサンが
翔くんに似ちゃった…

ニノが
「なんだか…可愛いアポロンですね
どうしました?」

潤くんが

「智?アポロン?
違うんじゃ…随分と優しいアポロンだね」


あれ?あれ?


しゃら しゃら  しゃら
どーん

しゃらしゃら
 


合同の音楽の時間
伴奏することになった

とても心地の良い声が
自分の耳に入ってきた…
智くん?

優しいのにしっかりとした高音

指が軽くなる……
楽しい…


……あれ
声が聞こえなくなった…
見ると下を向いていた

先走ったかな…ピアノ
指が軽くなって楽しくて…

授業が終わって智くんを探した


数人の女子に囲まれて
合唱部に誘われてる…

濃い顔の奴が手を引っ張って
連れて行った…


気になる

三人に褒められている…


そうだよな…
声が綺麗…

近づきずらい…


気になる…


席で下を向いて座ってる智くんに
聞いてみた

えっ?
俺のピアノの音が気持ちよかった…
気持ちよかった…

気持ちよかった…

ざわざわした気分が
モーツァルトを奏で始めた

次は専攻科の授業か…
智くんと一緒じゃないのか
ニノや潤が羨ましい…

雅紀がニヤニヤして立ってる

「翔ちゃん…大ちゃんと一緒じゃなくて
残念だったね…」

肩を叩かれる…

「美術科…いいな」

「我慢、我慢、すぐ会えるよ」

「ん?
雅紀?そうじゃなくて
楽しそうだなと思って…」


雅紀はニヤニヤしながら

「翔ちゃん…いいのいいの
まさに気分は
モーツァルトだね」



次の授業で
ピアノの音が弾み柔らかくなる

先生にかなり褒められた
次のコンクールの課題曲かモーツァルトで
よかった…

弾いていても
智くんの声が聞こえてくる気がする…
なんだろう…

雅紀が

「やっぱり
モーツァルトじゃん…
ピンク色の
モーツァルト
春だね〜」

翔をニヤニヤして見ていた。