妄想です。








自己満足のBLです。









妄想です。

翔は
刺繍の勉強をしたくても
参考になる本などはない…

口伝で技術が伝えられている…

まずは
智の部屋にあるものを
大切に見ていく


祖父の糸見本や
飾り縫い見本は糸の光沢の印影が
わかりやすい…

智はもし
印影をつけないようにすると
糸はよりを緩くするのか?


さらに
工房では
翔は
見習いが練習している
飾り縫いをじっと見つめていた


「翔くん

皆が気になって練習にならないから
飾り縫いが見たいなら
コハが扇の柄は飾り縫いをするから
そっちを見ろ…」

翔は
「コハさん…
よろしくお願いします。」

「若旦那…どうしたんですか?」

「いや…刺繍を知りたいんだけど
本はないだろう…
だから
智くんの祖父の
飾り縫い見本を
見せて貰ったんだけど
やっぱり
刺すところを見ないとわからないから…」

「大ちゃんの見てたら
わかるんじゃないです?」

「あははは…そうなんだけど
手とか
横顔が気になってしまって
あはは
綺麗だから…」

「翔くん…
余計なことを話すな」

「余計なこと?
大切なことだと思いますよ」

智は
しまった…と思い

「…そうだな…コハの邪魔はするなよ…」

「はい…」

コハは翔に飾り縫いの
名前や刺し方を説明しながら

刺していく

翔は
刺し方を絵に書いていく…
絵を…

気になって後ろから見た
智が
笑い転げた

「あははははは…
翔くん…あはは」


作業場の皆が驚く
コハもシゲも笑いだす

「若旦那…どうやったら
扇が?あははは」

翔は自慢気に

「私から見ると
こう見えたんです。」

と言い張る

智は腹を抱えたまま立ち上がれず
笑う

見習い達が…

「ええーー
扇が…なぜ文庫入れ?…折り紙?」

作業場が笑いに包まれる
翔はそんな中
一生懸命に飾り縫いの
特徴を描いていた…


智は笑いながらも…
翔に扇を描いて渡す

翔は目を丸くして
「なんでこんなに簡単にかけるんですか?」

「翔くん…こそ
はは…なんで…
そんなになってるんだ…
ははは…腹痛い…

翔く…んは…まず…ははは
丸を…丸を…描く練習が
必要だ…な…はははは

とりあえず…はははは
これを…写しながら
練習するといい…」

「はい…そんなに…
変ですか…」
「いや…はははは
すまん、すまん
変ではないよ…面白いけど…
はははは」

翔は絵がどうやら
極端に苦手らしい…
写しても…扇?
皆は????

翔はそれでも
満足そうに特徴を書き写していた