妄想です。









自己満足のBLです。








妄想です。

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「えっ!もう読み終わった?
翔さん…全部ですか?」

「はい…全部です。」


医師が来る前に翔は本を読み終え
気になったところは
手帳に書き写していた。

「翔さんは、イギリスに行ってらした時に
ドイツ語を勉強したと聞いていますが
凄いですね…」

「私、フランス語も大丈夫ですよ…
後トルコ、ギリシャは少し…

あっちでは、小さな国から来た私をかまってくれる
人はいなかったので

一年の時に大学の本を片っ端から読み漁りました。
そのおかげで
信頼されるようになりました。
悪友まで出来ました」

「凄い…ですね。 
自室の本も全て読んだ本だったんですね。

確かドイツ語やフランス語も
ありましたよね」

「あれは全部
何回も読み返したものをです」

「じゃあ、本の内容も
理解されましたか?」

「はい、だいたいの内容は
理解しました。
智くん夢の話の意味も…なんとなく
理解できたかと思ってます」

「それは
良かったです。」

「昨夜、先生に聞きたいことがあると
智くんが話していました。
昨夜は静かに寝てましたから

少し整理されてきてるのかと…
朝、すっきり目覚めてましたから」

「そうですか、
じゃあ
作業場に戻ってここに呼んでいただけますか」


翔は「智くんをよろしくお願いします」
と深々とお辞儀して
作業場に戻った…



作業場では出てきた時とは
違う…
周りを近づけさせないような空気を放つ
智がいた…

翔を見つけた見習い達は
ホッとした顔で
「若旦那、あの…大野さんに
お茶を…出したんですが」

シゲが
「何時ものことだから
気にすんなって…
新しい技法を使っている
みたいだから…」

 
翔は横に座って
針に糸を通しながら

智の刺繍針の拍子に呼吸を
合わせて行く

しばらくして
空気が揺れる

優しい空気に変わった…

見習い達も緊張感が和らぐ

「翔くん?おかえり
傷はどうだ?先生時間あるって、言ってたか?」
刺繍からは目も離さないが

翔は智の
気持ちが向いてるのは
わかる…
「奥座敷で待っててくれてます。
お茶を頂いてから
先生のところに行ってください」

智は目線をお茶に移し
針刺しに針を刺して

「すまなかった…
いただくよ、

後、糸縒りと下縫いを頼む」

と一気に お茶飲み
作業場を出て行く

見習い達は下縫いを自分がする
糸縒りは自分の仕事だ
と仕事の取り合いを始めていた…