す妄想です。









自己満足のBLです。








妄想です。




翔は智が作った
薬入れを首に下げる

「どうです?
似合ってます?」

智は
「似合ってるとかじゃなく
邪魔にならないか…って聞いたんだけどな」

「邪魔になんて なるわけ無い
私にとっては大切な宝物ですよ 」

「紐が痛くないか?」

「はい…全然痛くないです。
これは鹿の皮?」

「あゝ…肌触りがいいんだが…
弱いから編んだんだけどな」

「最高です!」

薄浅葱色の縮緬に
桜の枝が表から裏流れ
おもては満開の桜
裏は紅葉

刺繍してある…
紐が通してあるところの生地まで変えてあり
かなりの手のかかった巾着だ

智は始めは刺繍せずに 仕立てたが


やはり
何かしたくなり

お遊び程度の刺繍を刺した
と言っても
一流の職人
布の縫い目があるにもかかわらず
繋がりが切れない
見事な全通柄

翔は嬉しくて
みんなに見せたくて

工房に行こうとするが少し考え
みんなが来るのを待つことにした…


今日に限って三人が遅い

その頃三人は
昼間の自分達の早とちりで
店が大変な客で
三人は接客を手伝っていた



しかし
それは…逆に客を呼ぶ…

好色三人が接客に
櫻井屋の安売り…

客は途切れる事を知らない


翔は
待ちぼうけを食らっていた。

智は工房が気になってはいたが
まだ翔との
時間を楽しみたかった…


翔の子供のように喜ぶ姿を
目を細めて見ていた…



櫻井屋の主人
翔の父
哲は林田を見舞いに来ていた…

先手が肝心…哲は
林田に丁寧に見舞いの品と
言葉を述べた後


この度の件は刑を受けて頂かなければならないと
強い口調で話し。

智が林田に怪我をさせたからと言って
引き下がる気はないと
そう自業自得の怪我と
勝手な思い上がりの所業は違うと切り捨て


櫻井屋の暖簾に掛けて戦う以前の問題

人として
刑を受けてもらう事を告げ

優しく林田の容態を心配しながら

現裁判所には
櫻井屋に恩義を感じている者も多数いることも
付け加え
後にした…

裁判所はまだ元奉行所の名残り濃く

櫻井屋は明治の始め
警察の制服の
借金を帳消しにしてきたので

櫻井屋には頭は上がらない


京の都の商人なら
誰もが知っていることだった。


そして
裁判所により

たわいない会話をした後
もし
智が取り調べを受けるようなら
警察の制服や大礼服のつけを払ってからですよね

と冗談めかしく話し

そんなことは
立派な方々の集まりだから
無いだろうけど
と笑う

そこにいた
皆は

無いですよ…
と笑った


哲は翔の母 我妻 瑠璃を泣かせた
林田に本気で怒っていた…




店に帰り
三人に礼を言い
翔がいないおかげで
御贔屓周りは大変だと笑って

三人を翔の部屋で休むようにはなす。

誰も櫻井屋の主人が
動いたことは分からないかった…

哲は接客を始めた