妄想です。









自己満足のBLです。








妄想です。




三人の剣幕に
戸の向こうにいた

可愛い…丁稚たちが
大泣きしながら
「すみ…ません
お二人が笑ってて…嬉しかったんです。」と謝っていた…


手代達は
頭を下げ
静かに仕事に戻る…


耳を傾けていた
番頭やお客達は安心して
何もなかったかのように
商談を始め


奉公人たちは
更に微笑ましい若旦那と智の姿を見たいと


翔の部屋の用事を探していた


翔の両親、瑠璃と哲は三人に出番を取られ
次の機会の為に聞き耳を立てていた



あの日から
誰も自ら気づいていなかったが

櫻井屋の者だけでなく
客や出入りの商人達も
暗闇の中にいた


二人が笑っている
それだけで

……心の中に明かりが灯った



シゲさんは涙を拭きながら

三人に

「あんたさん達も
泣きながら櫻井屋に来たんですよね…

そりゃ〜好色男五人集の
楽しい講談が出来ますな

櫻井屋は今日は繁盛しましすな
三人が客を呼んで下さって
有り難いことやね」

三人は
慌てて店の様子を覗く…


店は三人の様子を見て

来た客が多数
体裁の為に
新作などの品定めをしている。

手代たちは接客に
丁稚たちはお茶出しに走り回っいる…


講談師が駆けつけるのも
時間の問題だ…

哲がその様子を見て慌てて店に出て
番頭たちに
商品の値下げを支持し
接客を始める

本日限りの割引に
皆、予定してない品まで購入していく…

「流石ですね…櫻井屋の主人…
勉強になりますね…」


「すげっ…¥50もする大礼服(男性の洋装の祭服)
商談してるよ…叶わないよな…」



「なぁ、かず…潤
明日からどんな顔して歩けばいいんだ…」

「あなたはそのままでいいですけどね…
早とちりなんていつもだし
泣くことも良くあるじゃないですか?

私と潤くんの
若としての顔が…」

「何で
俺もだろう!」

三人は一度店に戻り
涙の詳細の
説明をすることにした。



翔の部屋では
みんなが智に、
刺繍の糸の相談や針の相談をしていた

智は丁寧に説明していた

誰も智に工房に来て欲しいとは
言わなかった…


皆が工房に戻ろうとしたとき
智は
シゲにあの日 刺していた作品はどうなったか
聞いた

「あれは
縮緬生地だったので
伸びないように
台から外してありますわ…」

智は…少し考え

「あれは…無事なのか?」

「大丈夫です…翔さんが避けてくれた
おかげやね…

ただ…岡田さん家族の下絵は
破れたり汚れたりで
駄目かと思います」

「そうか…下絵は描きなおしするさ
後で…ここに刺繍台一式を持ってきてくれるかい?」